皆さま
誰しもが持ち合わせている個性、
この世の中には、それを活かせる場所が
必ず用意されているはずです。
それを探すにはどうしたらいいのでしょうか。
今回はカレーが身を持って体験してきて
くれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「個性を活かせる場所はどこかにあると信じる物語」
~売れないカレーが辿る軌跡~
とある町に食事処がありました。
ラーメン、そば、うどん、定食、
カレー、スパゲティ、なんでも
食べられる町の御食事屋さんです。
そのお店では、ほとんどの
食事がよく売れて食べられて
いました。
でも、なぜだかカレーだけは
あまり人気がないのか、売れませんでした。
食べた人は美味しいと言いますが、
そんなに売れないのです。
カレーは、そのことをとても
悔しく感じていました。
他の食事は売れていくし、
どんどんと食べられます。
でも、カレーは売れないのです。
だから食べてもらって美味しいと
言われる機会も圧倒的に少ないのです。
そのことが、カレーを刺激しました。
自分が活かせる場所などないのでは
ないかと、少し自暴自棄になっています。
でも、本当のところ、心の中では、
たくさん注文されて、たくさんの人に
食べられて、人々のお腹と心を
満たしたいという純粋な想いを
持っているのです。
カレーは、カレーとしてのプライドが
ありました。
「カレーとして売れるべきなんだ」
そんな強い思い込みを持っています。
だから、カレーとしてメニューは
残っていますが、変化がないため
なかなか売れるきっかけにならないのです。
店主もカレーを使った新メニューを
考えようとしますが、カレー自身が
変化をしたくないと思い込んでいるので、
なかなかうまくいきませんでした。
でも、カレーが密かにライバル視していた
あんかけは、様々な場所で活躍しているのです。
ご飯にかかって中華丼になってみたり、
焼きそばにかかってあんかけ焼きそば、
ときにはスパゲティにかかって人気を博して
いました。
そう、本当はカレーの本心では、あんかけ
みたいにいろいろな料理に挑戦してみたかったの
です。
売れないカレーは、ようやく決意しました。
「僕も変化していく」
「きっと僕だけの居場所があるはずだ」
そうカレーが決意したとたん、店主も
カレーを使った新メニューを考え始める
ことができました。
そうして、辿り着いたのが
カレーとラーメンを掛け合わせた
カレーラーメンです。
これが、なぜだかと言っては失礼ですが、
大人気メニューへと成長していきました。
最初、カレーは人気のあるラーメンと
一緒になることを拒んでいたのです。
でも、もう機は熟したのです。
えいやー、とカレーが一歩を踏み出すと
あとはとんとん拍子に進んでいきました。
カレーはラーメンと掛け合わせることで、
美味しく食べられて、人々のお腹と心を
満足させることができるようになったのです。
最初は複雑な思いを抱いていたカレーでしたが、
食べている人々の笑顔を見ると、なんだか
とても純粋にうれしい気持ちが湧いてきました。
「あー、僕にも個性を活かせる場所があったんだ」
カレーは店主やラーメン、あんかけ、そうして
食べてくれる人々に心から感謝をするように
なったのです。
「カレーラーメン一丁」
そんな声が今日もお店に
響き渡ります。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。