皆さま

 

気持ちを整理したり、いろいろ考えたり、

アイデアを膨らませたり、未来にワクワク

してみたり、これらはより良い人生を

歩むにはとても必要なことです。

 

でも、その後は、やっぱり行動を

しなくては、現実は変わらないのですね。

 

行動の大切さ、栗が伝えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「行動すると人生が変わる物語」

~いが栗が手を放した~

 

あるところに栗の木が生えていました。

栗の木にはトゲトゲがたくさん付いた

いが栗がなっています。

 

いが栗は、自分を纏っている

トゲトゲが誰かを傷つけるのでは

ないかと、木から落ちないように

必死になって生きているのでした。

 

雨が降る日も風の強い日も

落ちまいと抗い続けたのです。

 

いが栗は、誰のことも傷つけたく

なかったのです。

 

「僕はトゲトゲがついていて、誰かを傷つけてしまうから」

 

いが栗はそんな風に思っているのでした。

 

そんなある日、今日はずいぶんと

天気の良い日でした。

 

目を覚ましたいが栗も、今日は、穏やか

だから、緩やかに過ごせそうだなあと

感じています。

 

でも、なんだか栗の木の下が

何やら騒がしくなっているのです。

 

多くの人間の子どもたちが、やってきて

いました。

 

どうやら栗を求めて、やってきている

のです。

 

それに気が付いた栗の木のいが栗は、

「トゲトゲの自分が落ちたら、子どもたちを傷つける」

そう思って、いつもよりも力を込めて、

人間の子どもたちを思って、木から落ちないように

しました。

 

でも、栗の木の下の子どもたちは、

いが栗の気持ちとは反対だったのです。

 

「栗さん落ちてきて」

 

そう、願っているのです。

 

いが栗は、そんなことには気が付きません。

 

子どもたちは、このいが栗が落ちてくることを

待っていますが、なかなか落ちてきません。

 

子どもたちは、木の棒を取り出し、

いが栗をつっついて落とそうとします。

 

これは、まずいと思ったいが栗は、

必死に抵抗しました。

 

「おい、危ないぞ、俺が落ちたら怪我するぞ」

 

人間の子どもたちに、そう伝えようと

しています。

 

すると、ひとりの少女がその場が、

鎮まるほど、綺麗な声で、言いました。

 

「いが栗さん、私たちは、あなたが落ちてくることを待っているのよ」

 

この声は、必死に抵抗するいが栗に

直接響いたようでした。

 

「え、俺を待っている?こんなにもトゲトゲしている俺を・・・」

 

その綺麗な声は、反芻して何度も何度も

いが栗に響き続けてきたのです。

 

「あれ、俺が落ちても誰も傷つかない・・・」

 

「うん、待っているわよ」

 

今度は返事が聞こえてきました。

 

いが栗は、いよいよ決心したのです。

 

「ずっと、落ちたら誰かを傷つけると怯えていたけど」

「よし、誰かが待ってくれているなら」

「手を放してやるぜ」

 

そうして、いが栗は目をつぶって

栗の木から手を放しました。

 

ずっと、怯えていたいが栗が行動を

した瞬間です。

 

いが栗は、ゆっくりとまっすぐ落ちて

いきました。

 

「ポトン」

 

小さな音がします。

 

円になった子どもたちの丁度真ん中に

落ちたのです。

 

いが栗は、誰のことも傷つけずに

地面に着地しました。

 

「わーい、いが栗が落ちてきたー」

 

いが栗が当初予想していたものではない、

リアクションがそこにはありました。

 

子どもたちが喜んでいるのです。

 

そうして、丁寧にいが栗の、トゲトゲは

切り離されて、中からは栗の実が

出てきました。

 

栗の実は、とてもかわいらしく、ツルんと

していて、この元いが栗の素性をよーく

表しているものです。

 

まさに本当の自分と言った感じでした。

 

栗の実は、しばらくの間子どもに

よって、とてもかわいがられます。

 

その後、子どもたちの誰かの家で

栗ご飯の一員となったようです。

 

元いが栗は、綺麗に美味しく調理されて、

人間の子どもに笑顔で食べられて

一生を終えました。

 

元いが栗は、最後にこう思ったのです。

 

「最後の最後、行動して本当に良かった」

「あのまま必死に、辛く苦しい一生を送るところだったよ」

「こうして、人間美味しく笑顔で食べてもらうことが、できて俺は幸せだったな」

 

「あの時の少女よ、ありがとう」

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。