皆さま

 

誰にだって、どんな生き物にだって、

大切な役割があります。

 

大切な存在なのです。

 

それを忘れずに生きていきたいですね。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「生きているということは、役割があると知る物語」

~落ち葉の運命を辿る~

 

寒い寒い冬がやってきました。

木々にかろうじてくっついている

茶色く色を変えた葉があります。

 

少し前までは、水分も多く青々と

茂っていた葉です。

 

季節が変わってゆき、葉の

水分はすっかり抜けていてます。

 

それでも、まだ何かあるのでは

ないかと、最後の力を振り絞って

木にへばりついているのです。

 

自分は葉として生きてきたけれども、

いったい何ができたのか?自身に

問いかけていました。

 

確かに、太陽のエネルギーを受け取って、

木に流したりと、やることはやってきたと

感じています。

 

でも、寒い冬が来た途端に、本体の

木から切り離されようとしているのです。

 

枯れようとしている葉は、とても

虚しく感じていました。

 

「このまま終わってゆくのか」

 

そのとき、北の方から、とても冷たく

鋭い風が吹いてきました。

 

木に張り付いていた葉に、もう

力は残っていません。

 

呆気なく、木にさよならを言うこともできず、

宙へと舞っていきました。

 

ヒラヒラと身体を揺らしながら、

枯れかかった葉は、地面を目指して

最後の旅路を進んでゆくのです。

 

「ああ、これで終わってゆくのだ」

 

そんな風に、枯れかけた葉から

落ち葉へと変身を遂げて、

自信の終わりを悟っていきました。

 

しばらくすれば、地面に到達します。

 

落ち葉は、揺ら揺らが止まったことで、

自分が地面に着いたのだと感じました。

 

そうして、周囲を見渡してみると、なんと

同じ落ち葉の仲間がたくさんいるのです。

 

木に付いているときは、よく

わかりませんでしたが、落ち葉として

生きている仲間がたくさんいたのです。

 

とはいえ、もう落ち葉です。

そんなに精力的に生きることなど

叶うわけないと感じています。

 

そのときでした、落ち葉は、なにか

箒のようなもので掻き出されました。

 

どうやら小さな子どもたちが、落ち葉を

集めているようです。

 

その中に先ほどの落ち葉もいました。

 

集められた落ち葉の周囲には、

子どもたちや大人たち、多くの人が

見守ってくれているようでした。

 

しばらくすると、落ち葉に火が付けられます。

 

いよいよ、落ち葉も最後なのだと

悟ったようです。

 

炎は大きくなっていきます。

 

「たくさんの人間に見送ってもらえているかのようだ」

 

落ち葉は、そうして燃えてゆきました。

 

その後、子どもたちが燃えた落ち葉の

中をゴソゴソと探っているようです。

 

そう、落ち葉を燃やして焼き芋を

作っていたのでした。

 

落ち葉は、身を呈してサツマイモを

焼いたのです。

 

落ち葉は、最後に周囲の様子を

見ることができました。

 

多くの子どもたちをはじめ、大人たちも

焼き芋を頬張っています。

 

「美味しいね」

 

そんな声が聞こえてきました。

 

見事に落ち葉となって、あの葉は

役割を全うしたのです。

 

落ち葉は、そんな風に人間たちに

喜んでもらうことができて、心から

良かったなあと感じました。

 

落ち葉は微笑みながら、そっと

目を閉じるのです。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。