皆さま

 

この世の中は、いろいろ複雑そうに

見えますが、結局のところ意外と

シンプルにできているように感じます。

 

そのことを草だんごが体験してくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

写真は、映画『男はつらいよ』の

舞台になった柴又にある矢切の渡しです。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

-----------------------------------------------------------------------------

 

「大切なのは自分の発する想いだと気が付く物語」

~草だんごが身を持って体験した~

 

だんご屋さんに草だんごが

並んでいました。

 

10粒入っている箱が

残り2つ並んでいます。

 

お店はもう少しで閉店の

時間でした。

 

草だんごたちの基本の想いと

しては、やっぱり

「美味しく食べてもらいたい」

 

だから、こうして売れ残るのは

本望ではありません。

 

1つの箱の中では、草だんごたちが

ある想いを発していました。

 

「僕たち、私たちは美味しいから必ず売れるんだ」

 

この箱の草だんごのほとんどが、

こんな風に想いを発していたのです。

 

もう一方の箱は、それとは

違いました。

 

「僕たち、私たちは美味しくもないから、どうせ売れ残って捨てられるんだ」

 

こっちの箱の草だんごたちは、

そんな風にネガティブな想いを

発しているようだったのです。

 

でも、どの草だんごだって本当は

純粋な想いがあります。

 

「美味しく食べてもらいたい」

 

すると、お店の前にサラリーマン風の

男性がやってきます。

 

どうやら、帰りが遅くなったお詫びに

子どもたちにお土産を買っていくようでした。

 

サラリーマン風の男性は2つ並んだ

草だんごの箱を上から物色しています。

 

残り2つだと、やっぱりどちらかを

選びます。

 

サラリーマン風の男性は、草だんごの箱を

選びながら、子どもたちが草だんごを食べて

喜ぶ顔を想像していました。

 

すると、すぐに草だんごの箱を

選んで手に取ります。

 

選ばれた草だんごの箱は、

やっぱり、

「僕たち、私たちは美味しいから必ず売れるんだ」

と想いを発していた方でした。

 

選ばれた草だんごたちは、

「きっと美味しく食べてもらえる」と

感じて大喜びしています。

 

一方、残った草だんごたちは、

落ち込んでいます。

 

「やっぱり、僕たち、私たちが美味しくないから選ばれなかった」

 

草だんごがこのまま腐っていって

しまうかのような空気感が、箱内には

漂っていました。

 

すると、箱を触る手の暖かみのような

ものを、草だんごたちは感じました。

 

それは、どことなく懐かしくて、

包まれるような、安心できる

あの感覚です。

 

そうです、草だんごを手で握ってくれた

おばちゃんの手の暖かみでした。

 

不思議とそれは箱の外からでも、

草だんごたちには伝わってくるのです。

 

おばちゃんは、草だんごたちに

語りかけながら箱をさすっています。

 

「あなたたちは、美味しい草だんごなんだよ」

「自信を持って、売れていってちょうだいね」

「なんといっても、私が丹精込めて丸めたんだから」

 

箱の中の草だんごたちは、自分たちを

丸めてくれたおばちゃんに、元気づけられました。

 

少しずつ草だんごたちの想いの質が

変化していくのです。

 

「僕たち、私たちは美味しい草だんごなんだ!」

「優しいおばちゃんに丸めてもらったんだ!」

「売れて、美味しく食べられて、おばちゃんにも恩返ししよう!」

 

一気に、箱の中の雰囲気が

変わりました。

 

そのときでした。

 

残業を終えて、少しお疲れの

OL風の女性が、速足でやってきて

残っていた草だんごを手に取り、

買っていったのです。

 

箱内の草だんごたちは、歓喜に

湧きました。

 

草だんごが全て売れて、おばちゃんは

笑顔になっています。

 

そうして、その後、美味しい草だんごを

食べた女性も美味しくって、満面の

笑みを浮かべました。

 

もちろん、美味しく食べられた

草だんごたちも、使命を全うして、

歓びに満ち溢れていたのです。

 

【終わり】

------------------------------------------------------------------- 

執筆依頼なども承っております。

お問い合わせ・ご質問はこちらからどうぞ

------------------------------------------------------------------- 

この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。