皆さま

 

これからどんな世界を

生きていくのか、それは

僕たちひとりひとりの意志が

大切になっていくと思います。

 

今回はそんな物語です。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「この世界は循環で成り立っていると知る物語」

~おじいさんと銀杏の大木との関係~

 

近所の公園に一本の見るからに

立派な銀杏の大木がそこに

生えていました。

 

秋になると葉を黄金色に輝かせ、

銀杏の実を新たな生命を宿そうと

地に落とすのです。

 

その公園の近くに住む

あるおじいさんがいました。

 

おじいさんは、銀杏の木のところへ

頻繁に訪れて、話しかけます。

 

「君は、毎日何を考えて生きているんだい?」

「なにか楽しみはあるのかい?」

「本当に立派な銀杏の木に育ったなあ」

「毎年、落としてくれる銀杏の実を楽しみにしているぞ」

 

おじいさんは、こんな風に

銀杏の木に話しかけるのです。

 

そうして、秋になれば銀杏の実を拾って、

家に持ち帰って、その実をおいしく

いただいていました。

 

銀杏の実は、地に落ちて潰れたりして

とても強いにおいを発します。

 

だから、おじいさんは実を採るだけではなく、

その公園内の地も掃除をしていました。

 

そのことを銀杏の木もなんとなく

わかっていましたし、とてもありがたく

感じているのです。

 

しかし、ある日、公園の近くに

大きな建物ができるという

計画が持ち上がったのです。

 

そこで、近くに公園があるのは

とても良いが、銀杏の木が

問題視されました。

 

ある人が言いました。

「銀杏の実の臭いが、この建物の価値を下げる」

「だから、切らせてもらいましょう」

 

その一言は、少し離れている

銀杏の木にもなぜだか聞こえて

いたのです。

 

銀杏の木はとてもショックを受けました。

「僕の実が価値を下げる・・・」

 

この話しは、おじいさんの元へも

入ってきました。

 

おじいさんは、なんとか銀杏の木を

守ろうとしたのです。

 

建物を建てることを反対するのでは

ありません。

 

なぜ、銀杏の木を切る必要があるのか?

そのことを確かめたかったのです。

 

必死におじいさんは主張を繰り返しましたが、

結局、その方が建物の入居者が増えること

売る金額も上がることで、銀杏の木は切られることに

なりました。

 

実は、この大きな銀杏の木の恩恵を

受けていたのは、おじいさんだけでは

ありません。

 

多くの住民がたびたび見上げて、

心を落ち着かせたり、黄金色に

輝く葉っぱに息を飲んでいたのです。

 

葉の色の変化で多くの人が、

四季を感じることができました。

 

さらには、落ちてきた黄金色の葉っぱは

子どもたちのお金の代わりをしたりも

していました。

 

もちろん、実が落ちれば近所の人たちの

おつまみにもなっていたのです。

 

そうやって、おじいさんと始めとする

近所の人たちは、銀杏の木から恵みを

もらっていました。

 

その代わりに、落ちた葉を集めたり、

臭いが広がらないように掃除を

することで、人と銀杏の木は

共存していたのです。

 

なぜ、共存できたのかといえば、

それは銀杏の木と人たちの間で

循環が起きていたからでした。

 

滞ることなく、生み出されるものを

消費していく、そのことで、ひとつの

流れ、循環が生まれたのです。

 

銀杏の木が切られた後、その跡地には

おじいさんを始めとする近所の人たちが

集まって、悲しそうにしていました。

 

でも、一方で、建物が高く売れることになり

喜んでいる人もいます。

 

どちらが正しくて間違っているのか、

そういう話しではないのだと思うのです。

 

銀杏の木は切られながら、最後に

呟きました。

 

「僕は循環をすることで、ここまで生きてくることができました。ありがとう」

「これからどんな世界になっていくのかは、あなたたち人間の気持ち次第だと思います」

 

おじいさんは、銀杏の切り株を見て、

様々な想いが湧いてきて、泣いていました。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。