皆さま
過去に感じていた純粋な気持ちは、
今も思い出すことができると、
その感覚は大きな宝物となります。
それを見つけられそうな人は、
見つけてみましょう。
今も未来も楽しくなりますからね。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「過去に感じた純粋な気持ちを思い出す物語」
~原っぱにお花が咲く理由~
原っぱによく似た2種類の
花が1本ずつ咲いています。
ある秋の日でした。
そこには咲き終わってゆく
花の姿がありました。
1本ずつ、ゆっくりと花びらを
原っぱへ落としてゆくのです。
赤色の花が少し先に花びらを
落とすと、少し後になって青色の
花が花びらを落としてゆきました。
赤色の花と青色の花、たった1年に
一度だけ原っぱに咲きます。
秋に咲いて秋のうちに花を落とすのです。
実はこの赤色の花と青色の花、
色こそ違えど、形はそっくりでした。
咲く時期も同じで、花を落とす時期も
同じなのです。
人間で言ったら、もしかしたら
兄弟、いえ、従兄弟同士くらいの
つながりがありそうでした。
花を落とした赤色の花も
青色の花も寒い寒い冬を越えて、
多くの他の花が咲く羨む時期も
越えて、さらには灼熱の真夏も
越えるのです。
なぜ、そんなに長い時期を
花を咲かせずに堪えることが
できるのでしょうか。
そう、実は、赤色の花も青色の花も
秋になったら一緒に咲いて、原っぱで
風に吹かれて、咲き誇って、二つの
花で語らおう、そして遊ぼうなんて
約束をしているのです。
たしかに、寒い冬、霜柱だってできます。
そんな中でも二つの花はじっと耐えて
いるのです。
そこには、この間赤色と青色で咲き誇った
その思い出が糧となっています。
赤色の花は思い出します。
「今年も青色の花と咲くことができて、会うことができて、とても幸せだったな」
青色の花も思い出します。
「今年も赤色の花に会えて、本当に楽しかった。冬の寒さも吹き飛ぶさ」
そうやって、赤色の花も青色の花も
冬を越えてゆくのです。
春になって、回りの花が花を咲かせます。
赤色の花も青色の花も、少しは
それが羨ましくもなります。
赤色の花は希望を持ちます。
「みんな咲いている、でも、青色の花と会えるのは秋だ。じっと待とう」
青色の花も希望を持ちます。
「みんな咲いている、赤色の花もつられて咲いていないかな、そんなわけないな。楽しみに待つよ」
そうして、草花がたくさん咲いていく
暖かな春もこうして、成長させながら
過ごしてゆくのです。
夏になったら、秋はもう少しです。
それを楽しみに暑い暑い夏を越えてゆきます。
赤色の花はワクワクしてたまりません。
「もう少しで青色の花に会えるんだ!」
青色の花もワクワクしてたまりません。
「ここまでがんばってきてよかった!待ってろ赤色の花よ!」
暑い夏を二つの花はワクワクして
純粋な想いで、秋を待つのです。
その時の楽しさは、計り知れません。
赤色の花は青色の花が大好きなのです。
青色の花は赤色の花が大好きなのです。
だから、同時期の秋に一緒に咲くことを
本当に心の底から楽しみにしています。
一緒に咲いているときの楽しさは、
もう言葉では表すことができないくらい
なのです。
今年の秋は、何を話そう、どんなことを
聞いてみよう、花はどんな風に変化
しているのかな、興味は尽きません。
だから、暑い夏も楽しみながら
二つの花は過ごすことができるのです。
再び秋が訪れます。
少しずつ、花が開き始めるのです。
今年は先に咲き始めたのは、
青い花でした。
それを耳を澄ませるかのように、
赤い花も敏感に感じています。
感覚的に青い花が咲こうとしていることが、
赤い花にもわかりました。
二つの花のワクワクした気持ちは
ピークを迎えるのです。
まるで、仲良しの人間二人が
待ち合わせ場所に向かって行く
ときのように・・・
赤い花はタイミングがきたと言わんばかりに
花を咲かせ始めました。
青い花が先に完全に咲きました。
続いて、赤い花もゆっくりと花を
咲かせてゆくのです。
青い花はその様子を心躍らせながら
待っていました。
青い花がまるで笑顔になって、赤い花を
見つめています。
赤い花もそのことが、なんとなくわかって
いました。
赤い花も見事に咲きます。
赤い花と青い花が向かい合って
笑顔が溢れていきました。
「今年も会えたね」
「今年も楽しもう」
赤い花と青い花の秋が
深まってゆきます。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。