皆さま

 

時には、なんのきっかけもなく

家族や自分の身近にある存在に

感謝を伝えてみることって、とても

大切なことだなあと感じます。

 

なんのきっかけもなくてもいいのです。

 

「ありがとう」と伝えてみると、

身近に幸せが広がりますよ。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

滝です。

 

【自己紹介】

不安な人生から安心の人生に転換した僕の物語

 

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「身近で生きる人の大切さに気が付く物語」

~常に流れる滝と受け止める岩~

 

ある自然溢れる場所に、常に

流れ続ける滝とそれを受け止め

続ける岩がありました。

 

滝の水量が変わることは

ありましたが、今の今まで

一度も止まることなく水を

滝つぼとなる岩に落とし

続けているのです。

 

滝と岩は常に一緒に

いるということになります。

 

それは、滝が嫌だと思っても

岩がもう受け止めたくないと言っても

叶うものではありませんでした。

 

ずっと一緒です。

 

その滝には、そんなに多くはありませんが、

時折人が訪れます。

 

この日も歳は50歳くらいの夫婦の

ような二人組がやってきていました。

 

実はこの夫婦、妻の方は、この日

夫に「もう離婚しましょう」と言おうと

決めてきていたのです。

 

一方、夫はずっと働き詰めで、家族を

省みることをしてきませんでした。

 

だから、とても緊張していましたが、

夫は妻に感謝の気持ちを伝えようと

思っているのです。

 

夫婦は、この変わらずに落ち続ける滝を

それを受け止め続ける岩を見続けて

いました。

 

夫婦それぞれの想いなど、関係なく

滝は落ち続けるのです。

 

滝と岩は、この夫婦の想いにどことなく

気が付いていました。

 

滝と岩はそれでも流れ、受け止め続けます。

 

滝と岩は、黙ったままですが、

夫婦に語りかけているようでした。

 

「一緒にいてもいいし、離れてもいいんだよ」

「僕たち滝と岩は、感謝し合えているから一緒にいるんだよ」

 

しばらくの間、滝をボーっと見ていた

夫婦でしたが、どちらも言葉を

発せずにいました。

 

ふと、夫婦のどちらかが

声を発しました。

 

それは、家族を省みなかった

夫の方でした。

 

夫は、照れ臭いのか、妻を

見ることなく、滝を見続けながら

ポツポツと話し始めたのです。

 

「いや、ほんと、その」

 

滝は流れ落ち続け、岩は受け止め

続けます。

 

「ど、どうしたの?」

 

「うん、いやあ、今まで本当にいろいろとありがとう」

「オレは仕事ばっかりしていたし、子供のこともお前に任せっぱなしでな」

「いや、ほんと感謝しているよ」

 

妻は驚いていました。

自分は「もう離婚しよう」と

伝えようと思っていたからです。

 

でも、驚いたし、本当にうれしかったのです。

妻はずっと一緒にいること、それを

当たり前だと夫は思っていると感じて

いました。

 

だからこそ、「もう離婚してやる」と

どこかで感情が溢れてきていたのです。

 

妻はただただ、夫から感謝されたかった

だけなのかもしれません。

 

妻の決意は固かったと自分では

思っていました。

 

でも、夫の今まで聞いたことのない

言葉に心が揺さぶられています。

 

とにかくうれしいのです。

 

妻の目に涙が流れていました。

 

「ありがとう」あなたが、そんな風に

考えてくれていたなんて、本当に

「ありがとう」

 

妻は素直に感謝の気持ちを

返しました。

 

もちろん、夫婦がずっと一緒に

いることを選んでもいいし、離れる

選択をしたっていいわけです。

 

でも、この夫婦はこれからも

一緒にいる選択をしました。

 

これは、たまたまなのかわかりませんが、

夫が先に話し始めたからこそ、

そんな風に一緒にいる流れになったのかも

しれません。

 

もし、妻が先に話し始めていたら、

どうなっていたかはわかりません。

 

「あなたとこれまで一緒に生きてこられて、私は幸せよ」

 

夫はとても照れ臭そうでした。

夫もこぼれる涙を拭いています。

 

夫婦が流す涙ときっと何も関係は

ないのでしょうが、滝は岩に向かって

何も変わることなく流れ続けていました。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。