皆さま
今回はドーナツの物語です。
気が付くと未来のことを心配してしまう人の
参考になればうれしく思います。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「未来のことを心配する必要ないと気が付くドーナツの物語」
未来のことを心配ばかりしている
ドーナツが売り場に並んでいました。
ドーナツは自分がきちんとお客さんに
買われて、おいしく食べてもらえるかを
心配しています。
次々に他のドーナツたちは
お客さんに選ばれて、
袋や箱に詰められていきます。
ますますドーナツは心配を
募らせます。
「どうせ、僕は選ばれない」
そんな風にドーナツは売り場に残って、
ネガティブになっていました。
そうして、お店も閉店時間を迎えようと
しています。
ドーナツはいまだに売り場に残っています。
「あー、やっぱり選ばれないんだ」
すると、一人のサラリーマンらしき男性が
ドーナツ屋に入ってきました。
残っていたこのドーナツを含めて、
４つほど買っていったのです。
とうとう、ドーナツはお客さんに
選ばれました。
袋に入った４つのドーナツは所せましと
賑わっています。
自転車のカゴに入っているようで、
時折大きく揺れて、他のドーナツと
身体を寄せ合っていました。
「とうとう食べてもらえるんだ」
ずっと、買われるのを待ち望んでいた
未来を心配しているドーナツも
そう喜びを表現しています。
そうして、少し形が崩れそうになるのを
必死で耐えたドーナツ４つが
お客さんの自宅に到着します。
「きっと４人家族なんだろうな」
あるドーナツがそう口にしました。
それにはドーナツたちは同感しています。
しかし、出迎えてくれたのは
サラリーマンの男性の妻だけでした。
２人暮らしの家族のようです。
男性の妻はドーナツの袋を見ただけで、
とても喜んでいました。
もちろん、袋の中のドーナツたちも
喜んでいましたが、未来を心配している
ドーナツは素直に喜べませんでした。
「この中の２つだけがおいしく食べれるんだ」
「きっと僕は選ばれないに違いない」
しばらくすると、ドーナツの袋が開けられました。
手の感じからすると女性のようでした。
するすると、一つ、また一つと
ドーナツが袋から出されていきます。
４個のうち２個が袋から出されたのです。
「あー、やっぱりな」
未来を心配しているドーナツは、
選ばれませんでした。
「きっと、このまま捨てられるんだ」
「おいしいと言ってもらうことなく、ドーナツ人生を終えるんだ」
もう１個の残ったドーナツはと言うと、
特に気にした様子はありませんでした。
先に食べられていったドーナツたちが、
どうなっていくのかを注意深く聞いている
ようです。
女性のうれしそうな声で
「おいしい！」という声が
聞こえてきています。
間もなく、袋が開けられたのです。
未来を心配しているドーナツは、
「あ、やっぱり捨てられるんだ」と
思いました。
もう１個のドーナツは、いよいよと
思っています。
すると、そのドーナツは女性らしい手に
よって袋から出されていきます。
「もう１個食べちゃおう」
そうして、袋の中には未来を心配している
ドーナツただ１個が残っています。
大きな孤独感と虚無感を感じているようでした。
「最後は１個になって捨てられるんだな」
そんな風に思い、ドーナツは泣いていました。
最後だと思って泣いたのです。
すると、袋は開けられることなく
持ちあげられます。
そうして、真っ暗で冷たい場所に
移動したことにドーナツは気が付きます。
「あー、このまま寒いこの地で一生を終えるのだな」
ますます未来への心配を募らせています。
そのまましばらくの時間が経ちました。
残ったドーナツも気が付くと眠っていたようです。
心配し過ぎて、疲れて眠ってしまったのです。
袋の中で仰向けになって、もうどうにでも
してくれといわんばかりの態勢を取っています。
すると、突然袋が動かされます。
ドーナツも大きく揺れました。
「いよいよ、捨てられるのだな」
そう言って、ドーナツは目を閉じます。
そうしたら、袋が開いて光が入ってきたのです。
その後、大きくてゴツゴツした男の人らしき手が
袋の中に入ってきました。
ドーナツは気が付いたときには、
その手の中にいました。
「チョコレートのドーナツは冷やして食べるに限る」
そんな男の人の声が聞こえてきます。
そうです、サラリーマンの男性は
ドーナツを残しておいただけなのです。
冷やして次の日にも食べようと考えていました。
「うまい、うまいなあ」
サラリーマンの男性はドーナツを
どんどんと食べていきます。
食べられながら、ドーナツは
驚きもしましたが、とても喜びを感じていました。
それは、サラリーマンの男性がとても
おいしそうに食べてくれたからです。
「あんなに未来を心配していたけど、ちゃんと食べてもらえたんだ」
「あー、ドーナツとして生まれてきてよかった」
「そんなに心配する必要なんてなかったんだなあ」
こうして、ドーナツは最後までしっかりと
食べてもらうことができたのでした。
本日も最後までお読みいただき
ありがとうございます。
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【終わり】
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感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。