皆さま
とうとう今回でこの物語も
最終話となります。
死について書くことは
僕にとってはとても勇気の
いることでした。
だからこそ書きたいとも
思ったのだと思います。
まだまだ書きたいことも
あるので、続きはいつか
書きたいと思います。
それでは本日もよろしくお願いします。
初めましての方は、こちらから自己紹介を兼ねた
僕の物語をお読みいただくことができます。
では、書いていきます。
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「【最終話】母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑮」
母の死を乗り越えて、
公太は「幸せな家庭を築く」という
新たな人生の目的を
心の底から、様々な体験を
通して感じることで
子どもを授かることに
なりました。
そのことは公太とその妻に
「子どもができても大丈夫」という
覚悟ができ、準備ができたという
証しだったかもしれません。
それから公太と妻と
その子どもの3人での
生活が始まったのです。
公太は母を亡くし、父も
数十年会っていないことで、
子どもに祖父と祖母がいないことを
少しだけ悔みました。
それは、公太が祖父にとても
良くしてもらった思い出が
あるからかもしれません。
公太と妻の子どもは
男の子でした。
公太は自分が自分として
生きてきて、これまでの
人生どちらかと言うと
言うまでもなく辛い
人生だと思っていました。
だから、自分と同じ男として
子どもが生まれてくるよりも
女の子として生まれてきてほしいと
思っていました。
しかし、「幸せな家族を築く」という
新たな公太の願望が出てきてからは
子どもの性別などどちらでも
よくなっていたのです。
そうして、生まれてきた子どもは
公太と同じ男の子でした。
公太はそれを知った時、
心の中で「やっぱりな」と
思いました。
公太は子どもが親の背中を見て
育つということを肌身を持って
知っていました。
だからこそ、公太は自分が
されて辛かったことは
決して子どもにはしないと
決めていたのです。
公太はそれを実践したのです。
公太は子どもに背中を
見せることを心がけました。
たしかに、子どもが言うことを
聞かなかったり、思うように
動いてくれない時に
自分が幼少期の頃のことを
思い出すことはありました。
しかし、そこで公太は自分の
父と母と同じことをすることを
選びませんでした。
そのことには公太の妻も
気が付いていました。
それは、公太が子どもを
作ると決断する前に
父と母みたいになるのが
怖いと公太から直接聞いたことが
あったからです。
そして、公太と妻、子どもの
3人での幸せな家族は
公太が思うように
幸せなままでした。
公太はとても満足を
していました。
しかし、ここで公太の
癒えたはずの古傷を
少し刺激するような
出来事が起こります。
それは公太だけではなく、
日本国民全員が関わること
でした。
日本の土地にも限りがあります。
そこで、日本には新たに
お墓が作れなくなったのです。
公太の古傷は、
大好きな祖母が
火葬されていく姿を
ずっと脳裏に焼き付けている
ことからもわかるように
「死の恐怖」です。
母の死も同様でした。
そこで、今までは人は死んだら
お骨をお墓に納骨していました。
お墓に納骨できなくなるということは、
一体どうなるのでしょうか。
ここで、公太がなぜ
市役所の職員を職業として
選んだのかがわかってきます。
公太は市役所で、
亡くなった人たちを扱う
新たな日本の仕事を
担っていくことになるのです。
【第一部は終わり~いつかへ続く~】
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。
*この物語はフィクションです。