皆さま

 

今年もあと2カ月余りと

 

なってまいりました。

 

気が早いようですが

 

年末年始がやってくるのが

 

楽しみです。

 

あの終わりと始まりの

 

雰囲気がとても好きなのです。

 

では「道端で起きている幸せを綴る物語」の

第88作目を書いていきたいと思います。

 

「お母さんを憎んでいる亜季さんが道案内をしてもらった物語②」

 

前回のお話しは下記からご覧ください。

お母さんを憎んでいる亜季さんが道案内をしてもらった物語①

 

女性が指差す方向を

 

亜季さんが見ると

 

そこではお母さんと小さな子どもが

 

遊んでいるようでした。

 

それは、遠くから見ても

 

とても楽しそうで愛に溢れ

 

光り輝いて見えました。

 

亜季さんはその姿を

 

しばらく見ていました。

 

すると、亜季さんは

 

小さな頃の記憶が

 

蘇ってきました。

 

亜季さんは小さな頃の

 

思い出は自分で

 

辛すぎたからか

 

消去していました。

 

思い出すことができなかったのです。

 

それが、今になって

 

記憶が蘇ってきたのです。

 

それは小さい頃の亜季さんと

 

弟、そして憎んでいるお母さん

 

3人でした。

 

そこはどうやら

 

引っ越したばかりの

 

団地の公園でした。

 

小さい頃の亜季さん、弟、

 

若い頃のお母さんの

 

3人で楽しく遊んでいます。

 

忙しい合間をぬって

 

若い頃のお母さんは

 

子どもたちと遊んで

 

くれていたのです。

 

小さい頃の亜季さんは

 

とても笑顔が眩しく

 

光って見えます。

 

若い頃のお母さんも

 

同じです。

 

そんな記憶が

 

目の前の楽しく遊ぶ

 

親子と重なり合わさって

 

いきます。

 

「そんなこともあったんだなあ」

 

「一瞬だけだったのかもしれないけど、愛されていたのかもしれないなあ」

 

ほんの少しだけですが、

 

お母さんの愛情という光を

 

亜季さんは感じることが

 

できたようです。

 

亜季さんの胸の中が

 

ふわっと少しだけ

 

暖かくなりました。

 

女性が笑顔で娘のほうを

 

指差しています。

 

亜季さんは女性にお礼を

 

言って、娘のいる方へ

 

駆け寄りました。

 

そのまま黙って

 

亜季さんは娘を抱きしめました。

 

亜季さんも娘もおんなじ

 

涙を流しています。

 

亜季さんと娘さんは

 

久しぶりに並んで

 

歩いて家に帰りました。

 

その道中、亜季さんは

 

娘さんに言いました。

 

「今度おばあちゃんのところに遊びに行こうか」

 

亜季さんの娘さんは黙ってうなずきます。

 

亜季さんは公園へ道案内してくれた

 

女性との出会いという

 

偶然に感謝しました。

 

【終わり】

 

現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が

このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる

きっかけになったら嬉しく思っています。

世の中には親切な人は意外といます。

そんな願いを込めて書いています。

 

何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。

 

皆さまよろしくお願いいたします。