皆さま
久方ぶりに旅行へ出かけてきました。
やっぱり普段と違う場所へ出かけて
非日常を味わうことは自分にとっての
栄養になりますね。
では「道端で起きている幸せを綴る物語」の
第72作目を書いていきたいと思います。
「職場の人間関係が嫌で会社を辞めたけい子さんが道案内をしてもらった物語」
けい子さんは人間関係が耐えられなくなり、
長年勤めた会社を辞めた30歳代の女性です。
ずっと、人間関係での悩みを抱えていましたが
このほど特に苦手な人と同じ仕事をすることになり
しばらくして自分でもどうしようもないくらい
会社に行くのが苦痛となりけい子さんは退社しました。
けい子さんは転職活動を行おうかとも
考えましたが、またこんな人間関係を
味わいたくないと思い、しばらく
家の中で過ごす日々を送っていました。
「どうせまた同じ人間関係に苦しむ」
こうした想いがけい子さんをグルグルと
うずまいているようです。
そうして、しばらく経つとけい子さんは
次第に時間を持て余すようになります。
けい子さんは独り暮らしをしています。
長年の忙しい生活で部屋の中は荒れていました。
時間が出来たこと、人間関係での悩みが薄れたことで
部屋の掃除をすることにしたのです。
すると、押し入れから学生時代のアルバムが
でてきます。
懐かしい気持ちになったけい子さんは
ページをパラパラとめくります。
そこには学生時代仲の良かった
友人との写真などがでてきました。
「みんなどうしているだろうなあ」
けい子さんは社会人になってから
忙しい日々を送っていたため
学生時代の友人たちと会っていませんでした。
「でも、きっとみんな忙しいだろうし」
「会社を辞めた独身女だし」
「みんな幸せだろうし」
色々な想いが頭の中を駆け巡り、
それを制するようにアルバムを閉じました。
少し部屋が片付いてから、
けい子さんは思い立って
久しぶりに地元に帰ってみることにしたのです。
新幹線と在来線を乗り継いで、
ようやく着いたその土地は
けい子さんが高校卒業まで
過ごした想い溢れる場所です。
けい子さんは懐かしい気持ちになりました。
不思議なことにその当時は今よりも
ずっと伸び伸びと生きていたことを
思い出しました。
しばらく歩くと母校である高校の近くを
通りました。
卒業して10年以上経ちましたが、
けい子さんにはあの頃との違いを見つけることは
できません。
時刻はすでに20時で、真っ暗でしたが
けい子さんが部活で遅くなって帰っていた時を
思い出すことができました。
けい子さんが校門を懐かしそうに見ていると、
一人の女性が出てきたのです。
「あ!」
その女性は一瞬驚いた表情を浮かべて
すぐに笑顔になりました。
その瞬間を見たけい子さんも
同じような表情の変化をしました。
その女性はけい子さんと仲の良かった
同級生でした。
話しを聞けばその女性は母校で
教師になったそうです。
立ち話でしたが、思い出話に花が咲きます。
そうして、女性はけい子さんを食事に誘いました。
良く行く居酒屋まで道案内してくれたのです。
居酒屋に着くと2人の女性が出迎えてくれます。
その2人も仲の良かった同級生だったのです。
話しはトントン拍子に進み、
3人で行く予定だった旅行にけい子さんは
誘われました。
「本当はもっと早く連絡したかったんだけどね」
「けい子はすごく忙しそうだったから」
けい子さんはとても嬉しくなり
旅行に行くことにしました。
けい子さんはとてもウキウキした
気分になりました。
そんな気分になったのは本当に久しぶりです。
ずっと会社での人間関係に悩んでいて
会社を辞めたけい子さんでしたが
いつしか人間関係は会社内のものだけに
なっていたのです。
本当のけい子さんの回りには素敵な
友人がいたことをなぜだか忘れていたのです。
そうして、今回のことでそれを思い出すことが
できました。
「私には素敵な仲間がいる」
けい子さんはそう信じることができました。
けい子さんは人間関係で悩んだことで
再会できた友人たちや悩みの根源であった
人たちにも感謝しました。
もちろん、母校の校門で同級生と
出会うという偶然にも感謝しました。
【終わり】
現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が
このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる
きっかけになったら嬉しく思っています。
世の中には親切な人は意外といます。
そんな願いを込めて書いています。
何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。
皆さまよろしくお願いいたします。