皆さま
労働の後のビールやご飯はおいしいですよね。
しかも、嫌々やった労働ではなく
自分なりに楽しみながら行った労働の後だと
格別だと思います。
では「道端で起きている幸せを綴る物語」の
第70作目を書いていきたいと思います。
「初めて働き始めた京子さんが道案内をしてもらった物語」
前回、働いてみたいと京子さんが思うようになったお話しはこちらです。
京子さんは働いたことがない20歳代の女性です。
京子さんは犬の散歩をしていると、同じ犬種を散歩している
女性にケーキ工場を教えてもらいました。
京子さんはそれを見て働いてみたいと
生まれて初めて思ったのです。
話しはトントン拍子に進んで京子さんは
そのケーキ工場で働くことになりました。
まずはパートとして1日7時間勤務することに
決まりました。
京子さんは初出勤までの日を
緊張しながら過ごしました。
「7時間も働くことができるだろうか」
「うまくできるだろうか」
「回りの人たちと楽しくできるだろうか」
「ケーキは作れるかな」
様々な心配事がありました。
それでも、京子さんの中には
緊張だけではなく
「楽しみ」という輝きもしっかりと
ありました。
いよいよ初出勤の日がやってきました。
愛犬に見送ってもらい、家を出ました。
初日は緊張しながらもケーキ工場での
一日を終えました。
なんと京子さんは1ヶ月間ケーキ工場で
働いたのです。
初の給料までも手にしました。
その時の感動は京子さんは忘れられません。
段々と京子さんは仕事にも環境にも慣れてきました。
そんな京子さんは、ある不満なのかモヤモヤを
感じるようになっています。
ケーキ工場で働くことは良かったのですが、
好きなケーキを作りたくなっているのです。
京子さんもクリームを塗ったりしたいですが、
今はスポンジケーキをベルトコンベアに流す
仕事を任されていたのです。
そのモヤモヤは日に日に募りました。
「せっかくケーキが作れると思ったのに面白くないな」
「あー、もう辞めたいな」
「やっぱり向いてなかったんだわ」
「明日も同じ作業かあ」
京子さんは様々なネガティヴな想いが
湧きあがってきます。
今日は京子さんは仕事がお休みでした。
そんな日は愛犬の散歩を楽しみます。
京子さんは愛犬を連れて歩いています。
すると、京子さんをケーキ工場に
連れて行ってくれた同じ犬種を連れた
あの女性に会ったのです。
京子さんは仕事でモヤモヤしていたので、
正直に職場の人には会いたくありませんでした。
しかし、犬同士のコミュニケーションが始まります。
その流れで、女性は京子さんに話しかけます。
「あら、あなたもお休み?」
「そ、そうなんです」
「あら、元気ないわね。何かあったの?」
女性は優しい表情で京子さんに語りかけます。
誰にも話していなかった京子さんは、
女性に今の職場でのモヤモヤを
話しました。
すると、女性は京子さんをある場所に
道案内をし始めました。
京子さんと女性、犬2匹は歩きだします。
到着したところは、喫茶店のようなところです。
テラス席で、コーヒーや紅茶とともに
ケーキを食べている人たちがいます。
女性は京子さんに言います。
「あのケーキはね、うちの工場で作っているのよ」
「えー、そうだったんですか?ここのケーキ好きです」
「あのケーキを作るまでに、色々な工程があることは今のあなたならわかるわよね?」
「はい、わかります」
「あなたの作業はスポンジケーキをベルトコンベアに流しているわよね?」
京子さんはうなずきます。
「ケーキは生地を作ったり、焼いたり、運んだり、包装したり、クリームを塗ったり・・・運送されて・・・」
京子さんは2回うなずきます。
「色々な工程があって、やっとお店に届いて、お客様が味わうことができるのよ。そのどれかの工程が欠けてもだめなの」
京子さんは3回うなずきます。
「あなたの作業も必要なのよ。いい?その作業をしている時、今ケーキを食べて笑顔になっている人のことを思い出してみなさい」
京子さんの顔は少しずつですが、ゆるんできました。
「あなたの作業が笑顔につながる」
京子さんは笑顔になります。
「私の作業が笑顔につながる」
「そう!忘れちゃだめよ」
「ありがとうございます」
京子さんは自分の作業の大切さを知りました。
ケーキを作って、笑顔が生まれていたのです。
京子さんは明日からそうやって仕事をしようと
思いました。
活き活きと京子さんは働き続けることができました。
京子さんは女性との出会いという
偶然に感謝しました。
【~続く~】
皆さまいかがでしたでしょうか。
京子さんは働き始めることができましたが、
早速壁にぶつかったようです。
しかし、自分の作業がお客さんの笑顔に
つながっていることを知りました。
それだけで、京子さんはやる気を
取り戻しました。
現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が
このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる
きっかけになったら嬉しく思っています。
世の中には親切な人は意外といます。
そんな願いを込めて書いています。
何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。
皆さまよろしくお願いいたします。