皆さま
東京の話ではございますが、
夜になると少し涼しさを感じるようになりましたね。
まだまだ冷房をつけて寝ておりますが。
体調には気を付けて生活していきたいですね。
では「道端で起きている幸せを綴る物語」の
第37作目を書いていきたいと思います。
「不安でいっぱいいっぱいの美希さんが道案内をしてもらった物語」
美希さんは産休中の妊婦さんで、30歳代の女性です。
美希さんはお腹も大きくなってきています。
会社への通勤電車が大変だったこともあり、
それがなくなっただけでも美希さんは少しホッとしていました。
ただ、美希さんは不安を感じやすいのです。
小さなころから何かと不安になっていました。
せっかく産休に入れたものの、
「会社は迷惑だと思っていないか」
「戻っても席はないのではないか」
「産休に入っていて悪口を言われているのではないか」
と様々な不安になる要素を美希さんは考えてしまいます。
産休中にも関わらず美希さんは不安を抱えています。
そうして美希さんはこんなに不安を感じている自分は
身体の中にいる赤ちゃんに悪影響を与えているのではないかと
不安に不安を重ねていっています。
今日は病院で検査の日でした。
美希さんは不安でいっぱいいっぱいになりながら
出かけて行きました。
「途中で何か事故に合わないだろうか」
「暴漢が出るのではないか」
「お腹が大きい私のことを変な眼で見る人がいるのではないか」
出発して早々にすでにこれだけの不安を美希さんは無意識に
選んでいるようでした。
病院までは大通りを歩いて15分ほどかかります。
いつものように大通りを歩いていると、
目の前から見たことのある女性が歩いてきます。
「美希ちゃん!」
それは近所に住む美希さんより少し年上の
先輩ママさんでした。
「美希ちゃん妊娠したの?」
「これからどこへ行くの?」
先輩ママさんに久々の再会で
美希さんは色々と聞かれました。
美希さんはありがたいと思いたいと感じましたが、
病院の時間が間に合わなくなるのではと
またまた不安になっています。
でも、話しを切り上げるのも美希さんにとっては
不安なのです。
先輩ママさんは美希さんのことを友人だと思っていますし、
先輩ママとして教えられることは教えたいと思ってくれています。
先輩ママさんが通っていた病院に美希さんも通っていることが
わかりました。
先輩ママさんは美希さんに有力な情報を教えてくれました。
「この大通りを通るより、こっちの商店街を通った方が
5分は早く行けるし、色々なお店があって楽しいよ」
実は美希さんもそのことは知っていました。
ただ、美希さんはとても活気のある商店街を
お腹の大きい状態で歩くことに不安を感じていたのです。
「近所の人たちに会って何か言われてたらどうしよう」
「お店の人に話しかけられると何か買わなきゃ」
「流産でもしたら、影で何か言わるのでは」
「人が多くてぶつかったりでもしたらどうしよう」
数えきれないほどの不安を美希さんは瞬時に思いつくのです。
そうして、徒歩10分で行ける病院へも15分かけて
遠回りしていたのです。
しかし、美希さんも実はそんな不安にまみれた生き方に
疲労困憊の状態でした。
それは産休に入って、母になるわけで
自分自身と向き合う時間が増えたからかもしれません。
先輩ママさんの言った「楽しい」という言葉が
美希さんの心に引っかかっていることに
美希さんは気が付きました。
「私も楽しい生き方がしたい」
美希さんは自分の本来の願望が
湧きあがってきていることを感じています。
「楽しい道で病院に行きたいです」
美希さんは先輩ママさんにそう伝えました。
先輩ママさんは少しびっくりしていましたが、
快く美希さんを商店街に案内しました。
そこで、先輩ママさんは色々と教えてくれました。
「このお店は子どもと行くとサービスしてくれるのよ」
「ここでは子供服が週末安くなるのよ」
「このお店のおばちゃんは話しが長いから忙しい時に行っちゃだめよ」
「このお店は素材にこだわっていて身体に良い商品がそろっているわよ」
美希さんは歩きながら病院へ行くことも忘れるくらい
感心して楽しみながら歩くことができました。
先輩ママさんにお礼を言って、
無事に美希さんは病院へ辿り着いたのです。
帰りは独りでまた商店街を歩いてみようと
少し楽しみな気持ちになっていました。
美希さんは家に帰ってから、
今まで自分は不安になることを自分で
選んでいたのではないかと気が付きました。
「私は自分で不安で生きると決めていた」
それに気が付いた時、美希さんの
心の中には色々な今までの不安なことが
流れるように現れてきました。
「そうだったんだ。自分で決めていたんだ」
美希さんの目からは不安でせきとめられていた
涙の川が溢れるように流れてきています。
そうして、美希さんは決め直したのです。
「これからは楽しみながら生きる」
美希さんはスーッと身体の力が抜けていく感覚が
ありました。
きっとこれから不安になることもあるだろうけど、
楽しみながら生きていれば大丈夫と美希さんは思いました。
「だって、不安で生きると決めたら次々と不安になっていた、
それを楽しみながら生きると決めれば次々と楽しみになる」
美希さんはとても自分の人生にとって大切なことを
気が付くことができました。
美希さんは不安でいっぱいいっぱいの中、
楽しい道を案内してくれた先輩ママさんとの
再会という偶然に感謝しました。
【終わり】
皆さまいかがでしたでしょうか。
美希さんは不安でいっぱいいっぱいになっていました。
そんな状態でいることは本当に美希さんは大変だったと思います。
美希さんはうっすらとその状態をなんとか変えたいと思っていました。
そこで、美希さんは楽しみながら生きると決めることで
大きく人生を転換し始めました。
現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が
このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる
きっかけになったら嬉しく思っています。
世の中には親切な人は意外といます。
そんな願いを込めて書いています。
何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。
皆さまよろしくお願いいたします。