皆さま

 

暑い時ってやっぱりエアコンの効いた部屋に・・・

 

いることが多くなりますが、

 

川の流れをなど水を見ていると少し涼しい気分に

 

なりますよね。

 

では「道端で起きている幸せを綴る物語」の

第28作目を書いていきたいと思います。

 

「夜眠れなくなった久江さんが道案内をしてもらった物語」

 

久江さんは30歳代の働くシングルマザーです。

 

久江さんは子どもを育てながら、働いています。

 

朝は子どもを保育園に預けて仕事へ出かけます。

 

その生活をひたすらに続けていました。

 

一日が終わると久江さんはどっと疲れを感じます。

 

ただある日からどんなに疲れても夜眠れなくなりました。

 

毎日睡眠時間が減っていきます。

 

しかし、毎日のやることは変わりませんので

 

どんどんと久江さんは弱っていきました。

 

ある日、子どもはもちろん寝静まった

 

朝方に目が覚めた久江さんは

 

このままどうせ眠れないならと

 

近所を散歩することにしました。

 

散歩などの一定のリズムで

 

動くことは安眠につながると

 

聞いたことがあることを思い出したのです。

 

まだ外は暗いです。

 

近所を歩いていたつもりでしたが、

 

気が付くと公園にたどり着きました。

 

公園には池があり、幻想的な雰囲気を

 

醸し出しています。

 

しばらく池の表面をじーっと久江さんは

 

眺めていました。

 

「今まで弱音も吐かず良く頑張ってきたなあ」

 

「本当は誰かに助けてほしかったなあ」

 

「誰か助けて」

 

久江さんの胸の奥からなぜだか

 

そんな想いが湧きあがってきました。

 

久江さんは池の水を眺めながら

 

涙がこぼれ始めました。

 

しばらくすると、足音が聞こえてきました。

 

その足音は久江さんのすぐそばで

 

聞こえなくなりました。

 

久江さんが隣を見ると60歳代くらいの女性がいます。

 

女性は久江さんに声をかけました。

 

「こんな時間にどうされたんですか?」

 

「あ、いえただの散歩です」

 

女性は話しをしているとどうやら

 

清掃員をしていて、これから出勤するそうです。

 

会社員が出社する前にビルを清掃するから

 

早い時間から掃除を始めると説明してくれました。

 

「掃除って大変ではないですか?」

 

「掃除をすると何だか自分の心を磨いているような気持ちになるのよ」

 

久江さんにはなぜだかその言葉が心に残りました。

 

久江さんは「今日は仕事を休んで家の掃除をしようと」思います。

 

「このあたりにホームセンターはありますか?」

 

朝方にも関わらず久江さんはその女性に聞きました。

 

女性は驚くこともなく道を教えてくれます。

 

お礼を言って久江さんは女性と別れました。

 

この日は仕事を休んで、久江さんはひたすら自宅を掃除します。

 

朝方に話した女性が言っていたように

 

久江さんは自分の心までも掃除されているように

 

感じました。

 

子育てと仕事で、出来ていなかった家の掃除を

 

することで久江さんは満足感を持つことができ、

 

心もすっきりすることができました。

 

その夜は久しぶりに久江さんは朝まで

 

ゆっくりと眠ることができたようです。

 

しばらくすると、久江さんは

 

収入は下がりますが

 

今よりも短い時間で働きたいと

 

会社に申し出ました。

 

早めに家に帰れるようになって

 

本当はやりたかった家の掃除など

 

家事もできるようになりました。

 

久江さんは自分の胸にキラリと

 

光る明かりのようなものを感じました。

 

それから良く眠れるようにもなったのです。

 

久江さんは朝方散歩したときに

 

清掃員をしている女性との出会いという

 

偶然に感謝しました。

 

【終わり】

 

皆さまいかがでしたでしょうか。

 

久江さんは知らず知らずのうちに

 

自分に無理をさせていました。

 

本当は仕事よりも家のことに

 

時間をかけたかったんですね。

 

それが満たされていくことで

 

眠れなかった日々から

 

眠れるようになったようです。

 

意外と道端には良い人もいますし、幸せを

見つけることができるものなんですね。

 

現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が

このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる

きっかけになったら嬉しく思っています。

世の中には親切な人は意外といます。

そんな願いを込めて書いています。

 

何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。

 

皆さまよろしくお願いいたします。