皆さま

 

東京は暑く暑くて暑いですね。

 

蝉の鳴き声も聞こえてきます。

 

お寺さんに行っていたら10か所近く蚊に刺されたのですが、

 

なぜか全て右半身だけという謎。

 

では「道端で起きている幸せを綴る物語」の

第20作目を書いていきたいと思います。

 

「関西から東京見物に来た賢治さんが道案内をしてもらった物語」

 

賢治さんは関西に住む20歳代の大学生です。

 

大学を卒業する前に1人で日本各地を旅することにしていて、

 

この日は東京見物に来ていました。

 

賢治さんは渋谷や新宿、池袋などの繁華街と言われる

 

街を見物して回っています。

 

夕方くらいに池袋に着いて、賢治さんは夕食をどうしようか

 

考えていました。

 

せっかくだから東京名物の食事をしたいと思い、

 

もんじゃ焼きがいいのではないかと考えました。

 

賢治さんは街の人におすすめのお店を聞いてみようと

 

思い目の前を歩いていたサラリーマン風の男性に声をかけました。

 

「すみません、関西から来たのですがおいしいもんじゃ焼き屋さん知りませんか?」

 

「もんじゃ焼きならこのあたりにもあるけど、せっかく食べるなら月島に行ってみるといいですよ」

 

「月島?」

 

「池袋からなら電車で30分くらいですよ。もんじゃ焼きと言えば月島というくらい有名です」

 

「電車って地上を走ってますか?」賢治さんはなぜだかそんなこと聞きました。

 

「地上?いえ、地下鉄です」

 

「あ、そうですか・・・」

 

賢治さんはお礼を言って、その場を立ち去りました。

 

実は賢治さんは地下鉄が大の苦手でした。

 

苦手と言うよりは地下鉄の暗さと閉塞感が怖いのです。

 

賢治さんは月島に行くのは諦めようとしましたが、

 

小さい頃お父さんとお母さんに手をつながれて

 

怖いながらも地下鉄に乗って大好きな

 

おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに

 

行っていたことを思い出していました。

 

その時もちゃんとおじいちゃんおばあちゃんの家に着くことができていたのです。

 

そうして、賢治さんは怖い地下鉄に乗って月島に行くことを決めました。

 

地下鉄に乗るまで賢治さんはドキドキが止まりませんでした。

 

いざ、乗ってみると・・・やっぱり怖くなってきました。

 

賢治さんは目を閉じてみることにします。

 

すると、お父さんとお母さんが手を握ってくれていたその感触、

 

優しい笑顔で出迎えてくれるおじいちゃんおばあちゃんのことを

 

賢治さんは思いだして、それを感じました。

 

何だか、気持ちが落ち着いてきます。

 

賢治さんは無事に月島に着いて

 

もんじゃ焼き屋さんの数の多さに驚き、

 

その味を楽しんで、東京見物を

 

満喫することができました。

 

賢治さんは地下鉄に乗った自分の勇気、

 

池袋の街で月島を教えてくれたサラリーマンとの

 

出会いという偶然に感謝しました。

 

【終わり】

 

皆さまいかがでしたでしょうか。

 

人には怖いものというのがありますよね。

 

それがどんどんと大きくなるとなかなか

 

乗り越えにくくなります。

 

でも、こうして一歩を踏み出してみると

 

少しずつでも良き方向に進むのですね。

 

意外と道端には良い人もいますし、幸せを

見つけることができるものなんですね。

 

現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が

このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる

きっかけになったら嬉しく思っています。

世の中には親切な人は意外といます。

そんな願いを込めて書いています。

 

何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。

 

皆さまよろしくお願いいたします。