皆さま
東京は暑い日が続きますね。
これまでの雨続きの天候が嘘かのようです。
東京は6月の後半から7月の後半まで33日間の降水を
記録したんだそうです。
では「道端で起きている幸せを綴る物語」の
第18作目を書いていきたいと思います。
「離婚を考えている佐智子さんが道案内をしてもらった物語」
佐智子さんは旦那さん、5歳と3歳の娘の4人家族で
暮らしている30歳代の主婦です。
佐智子さんは口にはまだ出していませんが、
この生活が辛くてたまらなくなっていました。
理由ははっきりとはわかりませんが、子どもができてから
旦那さんとの関係性がとても悪くなってしまったのです。
とても繊細な心を持っている佐智子さんは居心地が悪くてたまらないようです。
今日もどうしたら円満に離婚できるかを考えながら
夕飯の準備をするため、駅前のスーパーへ向かっています。
いつもは何気なく通り過ぎていた魚屋さんがふと目に入りました。
すると、なぜだか魚屋さんの前には数人の従業員がいて
佐智子さんの方にあたたかな笑顔を送っています。
「いらっしゃーい、いらっしゃーい」
「いらっしゃーい、いらっしゃーい」
そして、あたたかな声でそう佐智子さんに呼びかけているのです。
佐智子さんはなぜかその光景を懐かしく感じていました。
あたたかくふわふわと柔らかな光の中で呼ばれる・・・
佐智子さんはその魚屋さんにすっと入っていきます。
すると家庭内で最近感じることのできなかった居心地の良さを
感じることができました。
並んでいる魚を見ていると、佐智子さんにはある光景が思い出されています。
旦那さんが、初めて誘ってくれて食事をしたのがお魚のおいしいお店だったのです。
佐智子さんはその時に食べた魚の味を思い出していました。
若いころの旦那さんは佐智子さんが喜ぶ顔を見て、それ以上に嬉しそうにしています。
佐智子さんは少し目に涙が溜まり始めていることに気が付きます。
そして、魚屋さんでお魚を買って帰ることにしました。
家に帰ってお魚を食卓に出すと娘たち2人も喜んでいます。
それ以上に喜んでいたのが佐智子さんの旦那さんでした。
佐智子さんは旦那さんの顔は若いころに嬉しそうにしていた顔と
同じだと感じて、なんだか嬉しく思っています。
佐智子さんはあたたかな雰囲気の魚屋さんに
行くことができたという偶然に感謝しました。
【終わり】
皆さまいかがでしたでしょうか。
佐智子さんは道に迷っていたというよりは、
これからどうやって生きていくかを迷っていたのかもしれません。
なんだか懐かしい場所に行ってみると、
良き思い出がこみ上げてきました。
生きていると辛いことがあり楽しいこともあるのですね。
意外と道端には良い人もいますし、幸せを
見つけることができるものなんですね。
現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が
このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる
きっかけになったら嬉しく思っています。
世の中には親切な人は意外といます。
そんな願いを込めて書いています。
何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。
皆さまよろしくお願いいたします。