皆さま
東京は暑い日が続いていますね。
やっと夏がやってきたと実感しています。
散歩の途中で買うアイスコーヒーがとてもおいしく感じます。
では「道端で起きている幸せを綴る物語」の
第15作目を書いていきたいと思います。
「高速バスを探す香奈枝さんが道案内をしてもらった物語」
宮城県に住む香奈枝さんは就職活動中の21歳の女性です。
今日からしばらく東京に滞在して就職活動を行う予定でした。
東京までは仙台駅からの高速バスを利用します。
久しぶりに仙台駅に来た香奈枝さんは、高速バス乗り場がわからず迷ってしまいました。
困っていると同じようにスーツ姿の女性が前から歩いていくることに、香奈枝さんは気が付きました。
香奈枝さんは焦っていたこともありますが、なぜだか迷うことなくその同年代の女性に声をかけました。
「すみません、高速バスの乗り場はどこにあるかわかりますか?東京に行く予定なのです」
声をかけられた香奈枝さんと同年代の女性は、驚いた様子で答えました。
「私も高速バスで東京に行くんです。一緒に乗り場へ行きましょう」
香奈枝さんはびっくりして、持っていたお茶のペットボトルを落としてしまいました。
実は香奈枝さんはなぜだか物心ついた時から両手の握力が人より弱く、困っていたのです。
香奈枝さんはお礼を言って、その女性と一緒に高速バスに乗り込みます。
なんと、高速バスもまったく同じだったのです。
バスに揺られながら香奈枝さんとその女性は色々な話をしました。
香奈枝さんは握力が弱かったことで、困っていたことを話し
それをきっかけに障害のある人のサポートができる仕事に就きたいということを
その女性に話しました。本当の理由を話したのはその時が初めてです。
不思議なことにその女性は驚くこともなく、香奈枝さんの話をうんうんと聞いていました。
実は、その女性も障害のある人でも気軽に行くことができる飲食店を開きたいという
夢を持っていたのです。
すっかり2人は意気投合して、仙台までの長い道のりを楽しみました。
香奈枝さんは近い将来、この女性と何か一緒に仕事をするのではないかと感じています。
そうして、仙台駅での出会いという偶然に感謝しました。
【終わり】
皆さまいかがでしたでしょうか。
香奈枝さんは勇気を出したのか、直感なのか目の前を歩いている
自分と同じ格好をした女性に道を聞きました。
それをきっかけに、とても深い関係になるなんてこの時の香奈枝さんは想像もしていません。
同じ志を持った2人が同じバスに乗り込んでいくというのは、なんだか運命的なシーンですね。
意外と道端には良い人もいますし、幸せを
見つけることができるものなんですね。
現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が
このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる
きっかけになったら嬉しく思っています。
世の中には親切な人は意外といます。
そんな願いを込めて書いています。
何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。
皆さまよろしくお願いいたします。