皆さま
最近歩き過ぎているのか、足の裏などがヒリヒリします。
それでも歩いてしまうので、少し散歩をお休みしています。
適度に歩きましょう。
では「道端で起きている幸せを綴る物語」の
第6作目を書いていきたいと思います。
「息子に会いに上京した明子さんが道案内をしてもらった物語」
息子さんが就職をしたばかりの明子さんは、50歳を迎えました。
何と息子さんに初のお給料が出て、上京先の池袋で食事に誘われました。
明子さんは朝からとてもウキウキしていました。赤ちゃんの頃から
育ててきた息子が働くようになり、母にご馳走をしてくれるなんて
明子さんは喜びを隠せないでいました。
とは言ったものの東京の「池袋」には行ったことがありません。
息子さんに聞いて「池袋駅」に18時には着くことができました。
息子さんからは18時半に直接お店に来るように言われています。
なぜ、直接お店なのでしょう?慣れないお母さんのためには
息子さんとは駅で待ち合わせれば良いのではないでしょうか。
実は息子さんはお寿司屋さんに就職したのです。
そのお店で息子さんは母をもてなそうと考えました。
明子さんは「池袋駅」から街へ出ていくと人の多さに驚いていました。
お店だってたくさんあります。この中から1軒のお寿司屋さんを
探し出すと考えると途方に暮れました。
息子に電話をしようか考えましたが、きっと準備をしてくれていると
思い、自分で探すことにしました。
しかし、お店は見つからずに時間ばかりが過ぎていきます。
都会の人たちはなんだか冷たそうに明子さんの目には映ります。
諦めて交番を探そうとしていたその時でした。
駅から1人のスーツ姿の男性が歩いてきました。
遠目から見て、明子さんはなぜだか息子に似ているなあと感じました。
その人が近づいてくると明らかに年齢も違いますし、別人なのですが
息子の様な雰囲気を感じていました。
明子さんはスーツ姿の40歳くらいでしょうか、男性に声をかけました。
「すみません、このあたりにお寿司屋さんはありますか?」
男性は少し困った表情を浮かべました。無理もありません。
池袋には数えきれないくらいのお寿司屋さんがあります。
明子さんの住む街にはお寿司屋さんなどほとんどありませんので、
こんな風に聞いてしまうのも無理はありません。
「お寿司屋さんはこのあたりにはたくさんあるのですが・・・」
男性は優しく明子さんに問いかけました。
「あら、そうなんですね。ごめんなさい。初めてこの街に来たものだから」
「そうだったんですね」男性は優しい表情を浮かべています。
ますます明子さんは息子に似ているなあと思っていました。
そして、息子が働く寿司屋の名前を男性に伝えました。
男性は慣れた手つきで、携帯電話を操作して道を調べてくれたのです。
「実は今日は息子が働く寿司屋に招待されて初めて行くんです」
思わず明子さんは初めて会った男性にそんなことを話していました。
男性はにっこりと笑って「へー、良いですね~。僕も親孝行しないとなあ」
男性は当然のように自然とお店の前まで一緒に来てくれました。
お店までの5分間くらいに明子さんは息子との思い出話を男性にしていました。
男性は嬉しそうに聞いています。
無事にお店に着くと男性はなぜだか「良い話が聞けました。ありがとう」と言って去って行きました。
明子さんはそうして本当の息子に会えて、おいしいお寿司を食べることができました。
息子の成長を目に焼き付けて、その夜を明子さんは楽しんでいます。
明子さんは息子さんの働く姿を見ることができたこと、息子さんに似た雰囲気の男性に
初めての都会で助けてもらえたことをしっかりと胸にしまっていつもの街へ帰って行きました。
明子さんは帰りの電車の中で偶然に感謝をします。
【終わり】
皆さまいかがでしたでしょうか。
明子さんは息子さんに会いに、池袋までやってきました。
普段都会に来ることが少ない人には中々勇気がいりますよね。
そうして、池袋で迷ってしまいましたがなんと息子さんに
似た雰囲気の人がいるという感覚から道案内をしてもらいました。
その明子さんの感覚と道を聞くという行動は素晴らしかったですね。
時間に遅れることもなく、明子さんには良い思い出が増えたようにも思います。
意外と道端には良い人もいますし、幸せを
見つけることができるものなんですね。
現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が
このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる
きっかけになったら嬉しく思っています。
世の中には親切な人は意外といます。
そんな願いを込めて書いています。
何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。
皆さまよろしくお願いいたします。