皆さま

 

最近は特に意識をして街中を歩くようにしています。

電車もいいのですが、歩くと色々な発見があります。

たまに、いつもと違う駅から自宅に帰ってみたりすると

新鮮で面白いことがあるかもしれませんよ。

 

では「道端で起きている幸せを綴る物語」の

第5作目を書いていきたいと思います。

 

「台湾から来た男性の李さんが名医を求めて道案内をしてもらった物語」

 

台湾から日本に来たという60歳代くらいの男性の李さんは、右足がうまく動きません。

それを心配した知人から日本のとある街に外科の名医がいると聞き、日本を訪ねました。

 

なんと、その李さんは手書きで書かれた病院の名前と住所を頼りにやってきたのです。

最寄りの駅まではなんとかたどり着いたものの、その街は小さく病院も駅前にはなさそうです。

 

知人から聞いた駅からは真っ直ぐ一本道だという言葉を頼りに、右足を引きずりながら李さんは歩きはじめました。

しかし小さな街と言っても駅からの道はいくつもあります。李さんは右足だけでなく言葉もうまく話せません。

 

脳にもなにか異常があるようで、どうしてもスムーズに話せなくなっているのです。

もちろん日本語も話せないので、とにかく目の前の道から歩き始めたのです。

 

しかし、お目当ての病院らしきものを見つけることができませんでした。

1本目の道を諦めて、また駅の方へ右足を引きずりながら歩きます。

 

そして、駅から再び別の道を歩き始めます。この時、李さんの白髪は汗で濡れていました。

疲労感といつになったら辿りつけるのだろうという焦燥感が、李さんを襲います。

 

頼りになるのはその知人が書いてくれたメモ書きだけです。

メモ書きも汗で少し滲み始めていました。

 

李さんはもう諦めて台湾に帰りたいと思っていました。

なぜだか台湾の故郷のことを懐かしむように思い出しています。

 

すると、遠くの方から30歳代くらいの日本人男性が歩いてきました。

李さんはどうしてかはわかりませんが、これで助かったと感じていました。

 

李さんはその日本人男性が目の前に来ると、言葉が出にくいながらも台湾の言葉で話しかけます。

もちろん、日本人男性は台湾の言葉がわかりません。

 

そして、李さんは持っていた病院の住所が書いてあるメモを日本人男性に渡します。

日本人男性はその住所と病院の名前を確認して、納得した表情を浮かべています。

 

場所がわかったようで、日本人男性は指をさしながら歩きはじめました。

李さんは右足を引きずりながらついていきます。

 

日本人男性は李さんにペースを合わせて歩いていきます。

この時、李さんは歩きながらも感謝の言葉を伝えたいと思っていました。

 

しかし、日本語もわかりませんし言葉もうまく話せません。

道を案内してもらった病院まであっという間にたどり着きました。

 

「謝々」

 

李さんは両手を合わせて無事に感謝を伝えることができました。

 

李さんはその後、名医に会うことができて治療を進めることができました。

 

後に李さんは「日本のお医者さんに助けてもらった」

そして「日本の僧侶にも助けてもらうことができた」と語っていたそうです。

 

日本で起きた偶然に感謝します。

 

【終わり】

 

皆さまいかがでしたでしょうか。

 

李さんの身体的な状況や心理を考えるだけでも

不安だったことは理解できるのではないでしょうか。

 

李さんは道に迷いながらも、日本人男性に出会い

「これで助かる」という直感めいたものを感じました。

 

その直感を大事にして行動したことで、

無事に病院にも行けたようです。

 

やはり自分の直感、感覚というものを

大切にするとうまく進みやすいのかもしれませんね。

 

そして、それを行動に移すことが大事です。

 

意外と道端には良い人もいますし、幸せを

見つけることができるものなんですね。

 

現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が

このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる

きっかけになったら嬉しく思っています。

世の中には親切な人は意外といます。

そんな願いを込めて書いています。

 

何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。

 

皆さまよろしくお願いいたします。