約1週間ぶりに福岡の我が家に帰ってきました。
オリンピックはこれまで見てきてたのですが
今夜、過去にない衝撃的な場面を目にしました。
それは、
男子100m決勝。
以前、ブログでも紹介した
ジャマイカのウサイン・ボルト選手。
世界最速どころではない走り。
世界大会の決勝で、ダントツで
後半流して勝つ選手なんて
これまでにいたでしょうか?
しかも世界新記録の『9秒69』
『なんじゃこりゃぁ!!!』
私もずっと短距離選手としてやっていましたが、
こんなレースみたことありません。
いや、今後ボルト選手以外に見ることは
できないかもしれません。
ボルト選手が勝つことは予想できましたが、
世界の陸上関係者、観客、テレビの視聴者、そして、選手。
誰がこんな結果になると想像したでしょうか?
世界中が衝撃に包まれた10秒間でした。
しかも驚くべきことに彼はまだ若干21歳。
もともと200mのためにはじめた100mの練習や試合。
そして100mのレースは20本ほどしか走ったことないのです。
それを考えればこれからおそらく
もっとすごい記録がでるに違いありません。
今回の決勝も、後半の減速と風を考えれば
9秒5台の記録が出ていてもおかしくありません。
人類はどこまで速くなるのでしょう。
以前は0.1秒縮めるのに5~10年の時を費やしてきました。
しかし彼は、ほんのわずか1年でそれを軽く
越えてしまいました。
20世紀最後の最速スプリンター、
アメリカ、マイケル・ジョンソンの200mの世界記録。
『19秒32』
これまで、誰も破られることはないと言われてきましたが
この北京オリンピックで、さらなる衝撃が
彼によって見られるかもしれません。
日本人が今後、どんなに努力しようと
この記録を塗り替えることはできないでしょう。
何か、興奮とともに絶望感というのを感じました。
日本の短距離も近年世界に近づいてきたと
言われてますが、やはりそうではありませんでした。
世界との差、世界との壁。
それは、とてつもなく大きい気がします。
ボルト選手の走りは
私たちトレーナーにとって、
日本選手の能力について考えさせるもの
だったと思います・・・。
今日、世界中のスプリンターが
驚きと興奮そして絶望感を味わうことに
なったのではないでしょうか。
世界にとってあの走りは
「記録」以上に「記憶」に残る
ものだったと思います。
最高の10秒間でした。