今、NHKの『スポーツ大陸』という番組で
陸上400mハードルの為末大選手の特集をやってました。
同じ年で陸上をやっていた人間として
北京での彼の活躍は気になるところです。
僕も25歳まで短距離の試合にでていました。
実は為末選手とも全日中の100mの試合で走ったこともあります。
僕らの世代で彼のことを知らない陸上選手はまずいません。
彼の凄いところは中学のときから常に全国のトップレベルで
活躍していたことです。
中学時代では短距離に限らず、様々な種目でランキングの上位を
占めていました。
高校時代では、肉離れに悩ませながらも、3年生のときに
400mと400mHの種目で見事復活。
400mHの高校記録はいまだ破られていません。
そして、その後の日本記録や世界選手権での銅メダル2回。
山崎選手や斎藤選手、苅部選手が作ってきた日本の400mHの歴史を
さらに世界に広げた選手だといえるでしょう。
今日のテレビでも取り上げられていましたが、
彼はコーチをつけず、トレーニングやマネージメントなどを
すべて自分自身で行っています。
競技においてコーチをつけるべきか否かについては
様々な意見や考えがあると思いますが、
トレーナーとしての私の主観はつけるべきだと思います。
為末選手はそういったところでは異端児だと言われてますが、
結局のところは結果が全てです。
結果がでていれば認めらるということです。
これは彼だからこそ為し得ることのできる術なのでしょう。
彼が一昨年ぐらいから走力を向上させるために取り組んでいる走法。
上半身で引っ張っていく(押さえていく)走りです。
彼は赤ちゃんのハイハイをみて気づいたそうです。
確かに走るという動作は上半身から下半身への
パワー移行がおこなわれます。
指導者で地面を蹴って上半身に力を伝えて腕振りのリズムを
作っていくと逆に考えている方もいらっしゃいますが、
実際は上半身のリズムが先ですね。
下半身ばかりに気を取られてしまうと
重心移動もうまくいかないですし、フォームも崩れてしまいます。
為末選手が実際、どのように研究や勉強をされているか
わかりませんが、彼の感性や常に陸上のことを考えて
生活していることが彼の独自の理論を生み出しているのではないかと思います。
北京オリンピックまで約1か月。
ケガがどこまで回復するかわかりませんが、
最後まで自分の考えを貫きとおして頑張ってほしいです。
僕が彼の選手としてのピークを決めることはできませんが、
同世代、トレーナーの立場から見て、おそらくあと数年。
だから、北京オリンピックが集大成になるのかもしれません。
井上康生など同じ年のアスリートが引退していく中、
まだまだやれるというところを見せてほしいです。
同級生には何か心を写してしまいますね。
陸上バカなのでちょっと長々と書きすぎてしまいました。
まだまだ、書きたいとこなのですが、
また今度にしたいと思います。それでは。