2007/9/30初版
2001年頃の話 |
市販の気体圧縮機を全部試した結果に失望した私は・・・・新たな気持ちで、水蒸気を圧縮する新方式開発のための試作を開始します。 |
まったく流体力学など勉強したことも無いずぶの素人が、まったくの白紙から挑戦するのですから、今から考えると無謀な話です。(笑) |
前回の実験で竜巻のように回転流にならない原因を、中心部の空洞が原因だと勘違いした私は、絶対の確信を持って2枚翼のローターを作って実験を始めます。 |
ローター本体
とんがり頭の「野菜切り機」と、陰口を叩かれました~~~ |
グーの音も出ませんでした~~~(笑) |
材料は超ジュラルミンでも、重量が4Kgぐらいあったので、さすがに「これはイカンやろー」ということで、裏側から軽量化のための穴を掘ってあります。加工切削指示が未熟だったので、大まかに削り出した後、旋盤を借りてチャックに固定して手で旋盤のローターを回しながら削りだしました。 |
仕上げは手作業のペーパーがけでラインを出したのでガタガタです。(笑) |
まだ初期の未熟な設計の頃でバランスも考慮しておらず手作業で作ったので、回転させると外壁にガリガリと擦ります。形が悪くて擦り、回転を上げると擦り、真夏で汗を拭きながら一人で朝から晩まで、擦っては削り「回転が上がれば、必ずうまく行く!」と信じて来る日も来る日も・・・・この写真を見ると目頭がジワーッと濡れてきます。 |
ディフューザー
羽根で加速された気体には、流れてゆく力の「動圧」と、流れていなくても気体が持っている「静圧」とがあります。その「動圧を静圧に変換する」というのがこのディフューザーです。仕組みは、インペラの回転で気体にも回転方向の速度が出るので、その流れを固定した「しきり」に当ててスピードが落ちた時に「動圧が静圧に変換される」というものです。・・・・・・がこんなもん何の役にも立ちません。ターボ圧縮機などにも使われていますが、理屈だけで使っているだけでタダの抵抗でしかありません。 |
こんなもん使ってる人の気持ちが知れません。。。。 |
。。。。って、お前も使ってるやないか~~笑。 |
確かに流れがあるときは有効で、煙突効果も期待できますが、水蒸気の圧縮に関しては効果はありませんでした。 |
組み立て
外で運転させるとすごい勢いで空気を吸い込み吹き出します。ところが・・・・・・・・・・・・・・・・「チリリン、チチチチッ」と音がしだすと |
やばい!!と思った瞬間「ガガガガガッ」 |
とローターが擦ってしまいます(泣} |
左の写真はきれいな~~・・・・このあと傷だらけになるのに。。。。(笑) |
何回分解したり組み立てたりしたことか・・・・・・・・あはははははは。 |
これ以前にも気体の流れを知るために4~5個作っていますが、 |
この分が気体の流れを知るのに最大の役割を果たしたと思っています。 |
この実験は基本的なことが学べ、気体が羽根に力を加えられるとどういう動きをするのか? ということが、 |
実際に「手」で加工することにより実体験できました。 |
図面 1
図面 2
もう一つ重要なことは、この設計をする前に |
どんな曲線を使ったらええんやろ???? |
何か使う曲線に意味があるんやろか???? |
と思い悩み、放物線から始まってインボリュート、サイクロイド、正弦曲線その他多くの曲線を試したところ、 |
双曲線に行き当たったことです。 |
「流体の流れに対して双曲線が有効である」というのが、確信になってゆくのは後のことですが、この曲線の不思議な魅力に取り付かれ、双曲線の展開の研究に没頭してゆく事になります。 |
図面1、図面2は2次元の双曲線を3次元に展開して行く手法を開発してゆく初期段階の 研究で、このときの設計では、双曲線のそりを逆向きに使っていて・・・何も知らずに・・・・ |
ばかだね~~~~(笑) |
次回の【水エアコン開発】書庫の投稿はこの双曲線について書きます。 |
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この自然冷媒である「水冷媒」を使った「水エアコン」、または新開発の「ターボインペラ」に、関してのお問い合せ、ご意見、共同開発、技術提携などがありましたら info@pid.co.jpまたはchallengeyu@yahoo.co.jpまでお願いします。 |
この記事は以前に投稿した【水エアコン開発】書庫の中の記事を、順次内容を修正、加筆して「仕上げ」ながら再投稿しています。前回分のこの記事には暖かい励ましやご意見のコメントを頂きありがとうございました。 |