06-動圧加速する条件-3 通過流路 | 【自然冷媒 「水」 のエアコンを創る】

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2008/6/1初版、2008/12/26修正03
      水蒸気分子が渦を巻いて加速してゆく
      そのためにはどういう条件が必要なのでしょうか?
     ここでは、それを「分子の流れ」で見てみたいと思います。


 図1
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分子を回転流にすることで、徐々に加速できる理由は前回【06-動圧加速する条件-2 回転流】で、書きました。
簡単にまとめると、回転流にして、回転円周の 直径を大きくしてゆくと、分子の速度が左図の 黄色線の点滅の例のように連続的に増速して ゆきます。(図は、下から見て右回転で見てください。)

 図2
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これを分子運動の流れで見てみると左の図の様になります。
分子が移動する様子は            【気体分子運動13 静圧 動圧 】を、参考にしてください。


 図3
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図2では、つかみ所が無いので、        任意のエリアを決め赤球で表した特定エリアの動きが図3になります。(図1の赤球は流れを 概念的に掴むだけの簡易表現です。)
特定エリア(赤球)の定義ここでは、理解を助けるために「特定エリア」の動きを追って流れを解説してゆくわけですが、「特定エリア」は、大きさは違ってもそこに含まれる分子の数と動圧(速度)の積は一定です。

 図4
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この赤球の通り過ぎた後を連続的に「軌道」として現したものが図4になります。この軌道は単に渦を巻いて回転しているのではなく、上方に行くに従って細くなっているのが解ると思います。  これは次の図5で、入口と出口で特定エリアの移動の様子を拡大してみたときに、特定エリア(赤球)の大きさの変化と移動距離(速度)とが違う事によるものですが、


 図5
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このことは、連続した容積内を気体が流れる条件
1.静圧はほぼ一定である。(このような狭い空間内で急激 な静圧の変化は乱流の発生を招きます。)
2.軌道内の気体の通過流量は一定である。
を満足するためには、速度の遅い入口側では  特定エリアは大きく、速度の速い出口側は小さくなります。(つまり赤球内分子の個数と動圧速度成分の積は常に一定です。)

 図6
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もし同径の軌道のままだと出口に近づくほど速度が速くなるので、特定エリアの概念的表現では内部の分子密度が下がり、静圧が低くなるために入口側と出口側の静圧バランスが崩れ、その静圧の圧力差を埋めようとする分子が毎秒約400m以上の速度で乱入する「誘起速度」が 発生し、それが原因となり「乱流」が発生します。
(その乱流発生の様子のCGは、どの位置で発生するか?、どんな流れになるのか?まったく解らないので作りようがありません。(^_^;))

つまり、軌道内を移動する「特定エリア」の運動エネルギーは常に一定になります。
注:この「通過流路(軌道)内の静圧を一定にする」という条件は、【気体分子運動】のリストの中の【ベンチュリー効果1、2、3、4、5】の解説にあるように「各分子の動圧ベクトル成分の違い」だけであって、各位置での特定エリア内の「静圧」は同じなのです。ベルヌーイの定理を当てはめたベンチュリー効果では「外力」が加わらない定常な流れを解説できても、「台風」や「水蒸気圧縮機」のように「外力」によって常時加速されてゆく「動圧加速」状態を理解するには「コリオリの力」など「3次元曲面の移動作用」を「非ユークリッド幾何学的」に理解してゆく必要があります。
  以上のことから、分子を回転流にして動圧を与えて加速してゆくには、
図6のように、徐々に回転径を大きくしながら 通過流路(軌道)も狭くなってゆく状態が必要なのです。
以上の基本的な原理を応用した「水蒸気圧縮機」の解説は【水蒸気圧縮機】書庫にあります。








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  分子運動をCGで表現する基本概念は                             【「分子運動CG図」に関してのお願い。】を、ご覧下さい。
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 この記事は以前に投稿した【水エアコン解説】書庫の中の記事を、順次内容を修正、加筆して「仕上げ」ながら再投稿しています。前回分のこの記事には暖かい励ましやご意見のコメントを頂きありがとうございました。



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