蒸発と凝縮・・・・日常よく経験することではあっても、 機械ではどのように利用されているのでしょう??? |
今回は具体的な例として、人工的に「蒸発」「凝縮」を利用して熱移動を行う もっとも単純な仕組み「ヒートパイプ」、を使って説明したいと思います。 (いつも通りCGは概念的なものと考えてください。) |
上下二段になった通路の中を上下逆方向に流体が流れ、水色の矢印は低温、ピンクの矢印は高温の流れを表します。(ここでは、液体でも同じですが気体で話を進めます。)
緑色の所は銅管とかアルミのパイプとか熱交換の良い材質で出来たただのパイプです。 |
パイプの中には「冷媒」例えばフロンガスなどを入れ使用温度範囲で使い分けますが、20℃以上で使用する場合は、
水が一番効率がいいのでほとんどの市販ヒートパイプの冷媒は水(純水)です。 |
(ウイックや内部加工などで効率が良くなりますが、ここでは 省略・・・それじゃヒートパイプじゃない?(笑))
アラ不思議!動力を使わないのにヒートパイプの外を通り過ぎただけで 上段では冷たい空気が温かい空気になり、下段ではその逆になります。 |
このパイプを透視して、中がどのような状態か覗いてみると・・・ |
パイプの下に貯まっている水から上向きに進んでいる水色の玉は水蒸気、下向きにパイプに沿って流れている青色の玉は水滴です。(無理やりにでもそう見てください!笑) |
これを見やすいように、ヒートパイプだけ拡大してみると・・・ |
パイプの中では、 下段の水から水蒸気が蒸発し上段で凝縮して水滴になってまた下に戻ることを繰り返しています。 簡単に言えば下段の熱を上段に運んでいるのです。 そしてパイプの金属を伝って熱が移動するよりもはるかに効率的に熱を移動させることが出来ます。 |
なぜこのようなことができるかと言えば、一種類の冷媒だけが(ここでは水)封入されているからです。もし空気などが混入しているとこの現象は発生しません。 これはその冷媒の固有の性質「温度と圧力の条件」に関係しているからです。 |
実用的には、例えば冬に部屋の換気をする時に、この方式で外気と熱交換すれば部屋の温度が下がらないので省エネになります。 パイプの形は自由に変形できるので熱を取りたい狭い場所や、風通しの悪い所などにも挿入して冷却することができるので非常に便利です。 |
このヒートパイプの例のように |
密閉した容器の中に水だけを入れると |
日常生活で経験する100℃で水が沸騰したり冷えたコップに露が付く80℃も90℃も温度差が無いと顕著にならない「蒸発や凝縮」が、 |
わずかな温度差で「蒸発や凝縮」させることができるので、 このことが冷媒による熱移動の効率が良いゆえんです。 |
ところが、一般にエアコンなどの冷媒ガスの圧力は、大気圧より高いのに |
水だけがほぼ真空に近い、低い圧力になります。 |
これは、水冷媒の難しさの一つの要因にもなっているのです。 |
次回は「動圧」と「静圧」について書いてみようと思います。 |
追記:この原理を利用して、このパイプのまん中にタービンを入れれば、水蒸気の圧力 によって「発電」することが出来ます。 |
原子力発電や火力発電、地熱発電もこの原理ですね! 温度差があれば発電することが出来ます。(^_^) |
この記事は以前に投稿した【水エアコン解説】の中の記事を、順次内容を修正、加筆 して「仕上げ」ながら再投稿しています。 前回分のこの記事には暖かい励ましやご意見のコメントを頂きありがとうございました。 |
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