今回は、USCPA(米国公認会計士)に関するよくある誤解3つを取り上げます。
(1)USCPAは州ごとに異なる資格である
正確には、「業務を行うには、州ごとに営業許可(License)が必要である。」という意味です。
試験自体は全米統一試験になっていますので、州毎に試験が違うわけではありませんし、州ごとの合格基準が違う(受かり易い州と受かりにくい州がある)ことはありません。事情をよく知らない人が、「A州よりB州の方が試験が易しい」などと言ってるのを聞いたことがありますが、完全な間違いです。
州ごとに営業許可(License)が必要という意味は、例えば、カリフォルニア州でLicense(営業許可)を持っているからといって、イリノイ州でも(自動的に)営業ができるわけではないということです。米国の「州」は「国」と同じような位置づけですから、州ごとに営業許可が異なるというのはある意味自然です。ちなみに、USCPAだけでなく、米国の弁護士や医師も州ごとのLicenseになっています。
また、多くの州では「試験合格後に(その州で)Licenseを取得すること」を想定しているので、州ごとに受験要件(学歴要件)が異なります。こうした現実もあって、「州ごとに異なる資格」という誤解が生まれるのかもしれません。
(2)簿記2級、TOEIC400点でも合格する
正確には、「簿記2級、TOEIC400点から勉強を始められる」ということです。どうも、これは専門学校の宣伝文句が、誤まって解釈された結果のようです。
USCPAに関しては、以前は日本語教材を用いる専門学校はありませんでした。その当時は洋書問題集を解くという方法しかなかったわけで、勉強を開始するハードルがかなり高かったのです。しかしその後、USCPAの専門学校が発展し、専門学校の日本語教材を使うことで勉強開始のハードルが相当下がりました。
すなわち、あくまで学習スタート地点の(英語の)ハードルが下がったという意味に過ぎません。難関資格である日本の公認会計士や税理士でも簿記初心者や日商簿記2級取得者向けの入門コースが用意されています。だからといって、「簿記2級を取得していれば、日本の公認会計士や税理士に合格できる」などと誰も思いません。それと一緒です。
(3)USCPAに合格すれば就職(転職)が有利になる
これは一概に否定できないのですが、主に、下記の2つのタイプの人にとっては、就職(転職)に有利になると思います。
① 大学在学中にUSCPA合格し、新卒で就職活動をする人
② 実務経験等が豊富なUSCPA合格者(英語を使ってビジネスができる人)
逆に言うと、合格したからと言って目の前が一気に広がるような、「一発逆転型」の資格ではないということです。もっとも、日本の難関国家資格にしても、超有名MBAでも、それだけでバラ色の人生が保証されることはありません。考えてみれば当たり前の話ですが。![]()