中間管理職や主任クラスの方と話していると、
よくこんな話題になります。
「あの仕事、彼女に任せたのに全然進まなくて…結局お客さんが怒っちゃってさ」
「彼に資料作成を頼んだけど、締切が過ぎても出てこない。結局自分でやる羽目になった」
こういう話、よく聞きますよね。
でも、これは部下が悪いわけではありません。
――責任は“任せた側”にある。
仕事を任せるというのは、結果を含めて“全責任を負う”ということです。
もしうまくいかなかったなら、任せ方そのものを見直す必要があります。
今回は、部下への「仕事の任せ方」を改善するための3ステップを紹介します。
① 任せる目的を、しっかり共有できていますか?
まず確認したいのは、
「何のためにその仕事を任せたのか?」です。
たとえば、
「○○の資料を○○までに作って」とだけ伝えていませんか?
それだけでは、部下は“作業の意味”を理解できていません。
結果、「なんか違う…」という資料が出来上がり、
上司がイライラ…という悪循環になります。
特に初めて任せる業務なら、
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その資料がどんな場面で使われるのか
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誰が見るのか
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どんな結論を導くための資料なのか
ここまで共有することが大切です。
「何を」「いつまでに」ではなく、「なぜ」まで伝える。
このひと手間で、仕事の精度は大きく変わります。
② 任せたら“放置”していませんか?
「期日になっても全然仕上がらない」
「結局自分でやった」
…私も昔、まったく同じ経験があります。
でも後から気づいたんです。
これは「任せ方」の問題ではなく、“任せっきり”の問題だったと。
仕事を任せた以上、最終責任は上司にあります。
だからこそ、進捗の確認とサポートは必要です。
信頼しているからといって、完全に放置してはいけません。
特に慣れていない部下の場合、
途中でつまずいても報告できず、そのまま時間だけが過ぎてしまうことが多いんです。
定期的に「どう?進んでる?」と軽く聞くだけでもOK。
早めに課題をキャッチして、フォローしてあげましょう。
③ 終わった後に“冷静な振り返り”を
部下が仕上げた成果物が期待と違っていた場合、
つい「なんでこんなの作ったの?」と感情的に言いたくなりますよね。
でも、そこで怒っても次は良くなりません。
大事なのは、一緒に振り返ることです。
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指示が曖昧だったのか?
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部下のスキル不足だったのか?
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優先順位を誤解していたのか?
この分析を、感情抜きでやること。
それが、次の成功につながります。
こうした対話を繰り返すことで、
部下も「次はこうすればいいんだ」と学び、
上司としても“任せる技術”が磨かれていきます。
🌱 まとめ:「任せ方」を磨けば、チームは強くなる
部下に仕事を任せるのは、
リーダーにとって最も難しいけれど、
最も成長を実感できる瞬間でもあります。
失敗しても、それは「組織が成長するための課題」。
恐れず、改善しながら任せていくことが大切です。
任せ方を変えると、
チームの空気も変わり、
やがて「自走できる組織」が生まれます。
今日から、ひとつだけでも実践してみてください。
その一歩が、あなたのチームを次のステージへ導くはずです。
