経営者や中間管理職の方から、こんな声をよく聞きます。

「うちの社員、言わないと動かないんですよ」
「最近、指示待ちの人が増えてる気がする」

もしあなたもそう感じているなら、
その感覚は“正しい”かもしれません。

今の職場には「自分で考えて動けない社員」が確かに増えています。
ただし、それは社員が悪いのではなく、
会社の制度や社風、上司の関わり方が原因であることが多いのです。

今回は、そんな「指示待ち社員」を生み出してしまう組織を変えるための
4つのステップをご紹介します。

失敗を減点する文化になっていないか?

指示待ち社員が増えるというのは、
つまり「挑戦しにくい社風」になっている証拠です。

もしあなたの会社で、
失敗した社員を笑いものにしたり、
たった一度のミスで出世の道が閉ざされるような空気があるなら、
それがすべての原因です。

挑戦=リスク
リスク=減点

この構図ができあがってしまうと、
誰も手を挙げなくなります。

まずは経営者や管理職同士で、
「失敗をどう扱う会社なのか?」を話し合ってみてください。
制度を変える前に、“空気”を変えることから始めましょう。

② 制度変更は、目的を伝えてから実施する

指示待ちが多い会社で、いきなり制度を変えても効果は出ません。

たとえば、人事制度を「挑戦のプロセスを評価する仕組み」に変えるとしても、
その意図を社員にしっかり伝えないと、現場は混乱します。

「また何か始まったぞ」
「どうせ言ってるだけでしょ」

社員にこう思われてしまえば逆効果です。

新しい制度を導入する時は、
**「なぜ変えるのか」「どう変わるのか」**を何度も丁寧に説明してください。
人は、納得して初めて行動します。

焦らず、じっくりと――これが組織変革の鉄則です。

中間管理職に“コーチング”を学ばせる

もしあなたの会社で、「考えない社員」が中間管理職になっている場合、
組織を変えるには“上司の教育”から着手する必要があります。

管理職は、会社の文化をつくる人。
彼らが変わらない限り、部下も変わりません。

おすすめは、外部のコーチング研修への参加です。
異業種の管理職と交流しながら「人を育てる技術」を学ぶことで、
視野が広がり、マネジメントの質が変わります。

コーチングとは、ただ教えることではなく――
相手に考えさせ、成長を促す“質問力”のことです。
ここを磨くと、組織の空気が驚くほど前向きになります。

④ 指示ではなく「目的」を伝える

最後に、現場レベルでできることです。

指示待ち社員には、
**「何をやるか」ではなく、「なぜやるのか」**を伝えるようにしましょう。

「この資料をまとめて」ではなく、
「この資料で○○を明確にして、営業が動きやすくなるように」

目的を伝えた上で、期日を明確に設定する
それだけで、社員の“思考スイッチ”が入ります。

最初はうまくいかないかもしれません。
でも、怒らず、質問をしながら支援してください。
「どうすれば達成できると思う?」という問いを続けることで、
少しずつ自分で考える習慣が育ちます。

やがてその社員が管理職になったとき、
同じように部下を育てていく――
この連鎖が、会社の風土を変えていくのです。

🌱 まとめ:指示待ち文化は“根気”で変える

「自分で動かない社員」が多いのは、
彼らが怠けているのではなく、
過去の上司たちが作り上げた“減点文化”の結果です。

だからこそ、変えるには時間がかかります。

でも、経営者や管理職が覚悟を持って取り組めば、
必ず会社は“考える組織”に生まれ変わります。

今日から、まずは「失敗を責めない」ことから始めてみてください。
小さな一歩が、社風を変える大きな一歩になります。