離職率が高い会社の“本当の原因”はどこにあるのか?
「うちの会社、離職率が高くて人が定着しないんですよね……」
そんな相談を受けたとき、私はこう答えます。
「それは社長の責任ですね。」
――一瞬、空気が止まります(笑)。
ちょっと極端に聞こえるかもしれませんが、
離職率が高い会社の責任は、経営者や管理職の側にあるんです。
そこを理解していない限り、何を変えても人は定着しません。
もちろん、どんなに良い会社でも一定の離職はあります。
でも、その“頻度”や“率”が高いということは、
社内の文化――つまり「社風」に問題があるということ。
社風は、外から来た人のほうがよく見える
社内の人は気づきにくいですが、
新しく入ってきた人には、その空気がすぐに伝わります。
私も経営コンサルタントとしてさまざまな企業に伺いますが、
ドアを開けた瞬間に「あ、この会社、空気が重いな」と分かります。
誰が職場の雰囲気を悪くしているのかも、だいたい見えてくる(笑)。
では、この“社風”をどう変えていけばいいのか?
制度を変える前に、まずは空気を変えることが大切なんです。
今日はそのための3つのステップをご紹介します。
① 明日から、社員1名ずつヒアリングしてみよう
社風を変えたいなら、まず従業員の声を聞くことです。
口に出さない社員も多いですが、
ヒアリングを重ねるうちに、職場の本音が見えてきます。
「何に不満を持っているのか」「何を期待しているのか」。
これを知らずに改革はできません。
1日1人でも構いません。
30人いれば1ヶ月で全員の声が聞けます。
もし「自分はワンマン気質だな」と感じている社長なら、
柔らかい雰囲気の幹部社員に代わりにヒアリングしてもらってもOKです。
② ヒアリングで見えた“空気の問題”を変える
ヒアリングの中で制度の話が出ても、
いきなり制度改革をするのはまだ早いです。
まずは、空気感を変える取り組みから始めましょう。
たとえば――
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会議では一部の管理職だけが話して、他の社員が発言できない
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部長が延々としゃべってオヤジギャグで締める(笑)
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社員が「どうせ言っても無駄」と思っている
こんな状況になっていませんか?
そこに、別の経営幹部を同席させて意見を拾うだけでも、
「発言しても大丈夫なんだ」という空気に変わります。
もちろん、1回や2回で変わりません。
長年染みついた文化なので、根気強く続けることが大事です。
③ 空気を変えたあとで、制度をアップデートする
空気が少し変わった段階で、ようやく制度の見直しに移りましょう。
たとえば――
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残業が多い → 外注化できる仕事を見直して早く帰れるようにする
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有休が取れない → 「月1回は必ず休む」制度をつくり、上司から休む
こうした制度変更は、空気が変わった後だからこそ効果があります。
逆に、空気が悪いまま制度を変えても、形だけで終わってしまうんです。
🌱 まとめ:社風改革は「時間がかかるからこそ、今すぐ動く」
社風は長年の積み重ねで形成されてきたもの。
だからこそ、すぐには変わりません。
でも、動かなければ永遠に変わらない。
今日からできること――
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1日1人ヒアリングする
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会議の空気を少し変える
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制度は空気が変わってから整える
この3つを地道に繰り返すだけで、
会社の「空気→制度→文化」が、少しずつ変わっていきます。
社風改革はマラソンです。
だからこそ、今スタートを切ってください。
