決断できない社長が会社をダメにする――小さな決断力トレーニングのすすめ

経営コンサルティングをしていると、時々こう思うことがあります。

「この社長さん、自分では動かないな……」

アドバイスしても決断せず、行動しない経営者。
これは正直、見ていて一番つらい場面です。

実は私自身、昔は“決断しないタイプ”でした。
子どもの頃は泣き虫で、何かあるたびにグズグズ悩んでいました。
でも社会に出てからは、そんなこと言っていられなくなった。
「考えたら即行動」――これを自分に叩き込んできました。

だからこそ、優柔不断な経営者に出会うと内心イライラしてしまいます(笑)。

優柔不断=「決断遅延」は、経営に致命傷

待つという選択肢も、検討の結果であれば問題ありません。
でも、「決めたくないから先延ばしにする」のは完全にアウト。

決断を先送りにすると、チャンスを逃す確率が一気に上がります。
市場というのは“先に仕掛けた者が勝つ”。
先行者優位の力は、想像以上に大きいんです。

つまり――
決断の遅れは、企業にとって致命的なリスク。
これはハッキリ言っておきます。

ただし、決断力は「才能」ではありません。
基準を持ち、小さな練習を重ねることで、必ず鍛えられます。

① 決断の基準を普段から持っておく

決断が遅い人は、実生活の中でも「基準を持たない」傾向があります。
なので、まずは自分なりの判断基準を明確にしておきましょう。

経営判断において大切なのは、この3つです👇

1️⃣ 理念(Purpose)
 会社はなぜ存在し、社会に何を提供するのか。
 経営理念がまだ曖昧なら、まずここを整理してください。

2️⃣ 数字(Finance)
 どれくらいの利益を確保したいのか、
 損失を出してもどこまで許容できるのか。
 「数字の線」を先に決めておくことで、判断が早くなります。

3️⃣ 時間(Deadline)
 いつまでに決めるのか。
 大きな経営判断は“1週間以内”、
 小さな決断なら“1時間以内”など、期限を設定するだけで動けるようになります。

この3軸を持つことで、迷いは格段に減ります。

② 小さな決断トレーニングを習慣にする

いきなり大きな経営判断を求めても、優柔不断な人には酷ですよね。
だからこそ、まずは小さな決断からの練習をおすすめします。

ここで言う「成功体験」とは、
決断が成功したことではなく、決断“した”という経験そのものです。

経営判断には当然リスクがあります。
うまくいかなくても、それは失敗ではなく“経験値”です。

たとえば、材料の発注量を15分で決めてみる。
たとえ少し間違っても構いません。
決断の訓練としては完璧です。

この“小さな決断”を日々繰り返すことで、
本番の大きな経営判断も、自然とスムーズにできるようになります。

③ 決断の結果より「プロセス」を検証する

決断した結果、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。
それは当然です。

大切なのは結果ではなく、決断に至るプロセスです。

「判断基準が甘かったのか?」
「情報の精度は十分だったか?」

この検証を冷静に行うことで、次の判断がより的確になります。
そして、同じ状況が再び来た時、
「また同じ決断をする」と言い切れるなら、それは正しい決断です。

外部環境がたまたま逆風だっただけの可能性もあります。
だから、結果を悲観しすぎる必要はありません。

🌱 まとめ:決断力は“習慣”で鍛えられる

経営者にとって「決断」は、成長の源です。
成功企業の社長ほど、
成功・失敗を問わず、とにかく決断して動く人が多い。

あなたもぜひ、今日から“決断のトレーニング”を始めてみてください。
決断力は筋トレと同じで、続ければ必ず強くなります。