経営者は決算書を理解することが求められますが、本来は従業員一人ひとりも数字に強くなる必要があります。外部研修や資格取得支援も効果的ですが、最も効率的なのは「日常会話の中に数字を取り入れる文化」を根付かせることです。数字を共通言語にできれば、企業全体の意思決定がスピードアップし、経営体質が大きく変わります。
1.会議では必ず数字をベースに議論する
社内会議や進捗確認では、案件ごとの売上・利益・コストを必ず資料に落とし込み、売上比率や利益率も併せて確認するようにしてください。数字で語る習慣がつくと「どの案件に注力すべきか」が明確になり、感覚に頼らない効率的な意思決定が可能になります。
2.新規案件の検討も数字で裏付ける
新しい案件は担当者の熱意が先行しがちで、コストやリスクを見落とす場合があります。必ず見込売上・コスト・利益といった数値を示しながら会議を行いましょう。感覚的な「やりたい」ではなく、数値で裏付けされた「やるべき」案件を選別できるようになります。
3.全社で数字を共通言語にする
全体会議では各部署の報告を「売上」「コスト」「営業利益率」で統一してください。これにより、部署ごとの貢献度が客観的に把握でき、効率性の高い案件については他部署との連携も検討できるようになります。数字を共通言語とすることで、部署間の壁を越えた議論が活性化するのです。
数字を日常の会話に組み込むだけで、組織の文化は変わります。効率性やリスクを冷静に判断でき、成長案件を選び取る力が高まります。従業員が自然に「数字で考える」ようになる環境づくりを、ぜひ経営の優先課題として取り組んでみてください。
