今、大手・中堅企業を含めて「失敗しないこと」が重視されすぎている風潮に、危機感を抱いている経営者・管理職の方は多いのではないでしょうか。

課長以下の社員たちが目の前の課題に挑戦せず、嵐が過ぎるのを待つ。
「火中の栗を拾わない人ばかりだ」と嘆く声もよく聞きます。
昔は良かった!と懐かしむ人もいますが、私は思います。
人は昔も今も変わらない。ただ“やり方”が変わっただけなのだと。

そこで今回は、この悩みに対する一つの解決策――「失敗も含めて経験を渡す権限移譲」についてお話しします。

1.権限移譲をして失敗を経験させる

部長が課長に権限を渡していないケースは本当に多いものです。
課長の肩書きはあっても、印鑑を押すだけで実際の判断はすべて部長。
これでは人は育ちません。

部長は自己承認欲求を手放し、小さな案件からでもいいので課長に判断を委ねましょう。
そして、その判断に従い、たとえ失敗しても責めないこと。
大切なのは「なぜそうなったか」を一緒に分析し、課長自身に改善策を考えさせることです。
これで課長は経験値を積み、着実にスキルアップしていきます。

挑戦する人「I CAN」から「DO IT」へ

2.失敗は“成功へのプロセス”と捉える

多くの企業では、失敗すると責められるのが当たり前になっています。
本来マネジメントの責任なのに、部下に押し付ける上司も少なくありません。
こうした企業は残念ながら成長せず、いずれ淘汰されていきます。

失敗とは、単にその時点での結果に過ぎません。
失敗を積み重ね、その先で成功をつかめば、それは“成功までのプロセス”だったと言えるはずです。

この考えを共有できれば、社内は挑戦する風土に少しずつ変わっていきます。
一朝一夕で変わるものではありませんが、経営者と現場の両面から取り組むことで確実に醸成されていきます。

その第一歩が、権限移譲なのです。

 

失敗を恐れず、失敗も含めて経験を渡すこと。
それが挑戦する人材を育て、会社を強くする力になります。

 

本日もお読みいただきありがとうございました✨