「人に任せられない経営者」は本当に多いものです。
口では「事業承継する」と言いながら、次世代に細かく口を出してしまう――これは事業承継が失敗する典型例ですね。

なぜそんなことが起きるのか?
心理学的に言えば、それは 現社長の自己承認欲求 に根ざしています。
「自分はすごい人物だ」と従業員や外部に認めてほしい――そんな欲望が無意識に働いてしまうのです。

けれども、本当は周囲は十分わかっているはず。
長年会社を引っ張ってきた先代のすごさは、誰もが認めています。
しかし、それでも承認欲求から抜け出せない経営者は少なくありません。

だからこそ、事業承継をスムーズに進めるには、「信じて任せる勇気 が必要です。
コンサルタントが介入する場合、先代と次代にそれぞれ伴走し、先代の関与を減らしながら最終的には引退へと導いていきます。
ただし、コンサルを使わない場合でもできる解決策があります。

事業承継の権限移譲、経営者2名がタブレットで検討

事業承継で“信じて任せる”ためのステップ

  1. 次代の社長に判断させる機会を創る
    決断力は経験からしか身につきません。
    先代が判断してきた事柄を、あえて次代に任せて経験させてください。
    失敗しても責めず、なぜそうなったかを一緒に分析する。これが大きな学びになります。

  2. 小さなことから権限移譲する
    次代の専権で物事を進められるように、少しずつ権限を渡していきましょう。
    それによって次代はやりがいと自信を高め、社内外にも「次はこの人だ」と印象づけられます。

  3. 承継時期を社内外に通知する
    承継のタイミングを早めに決め、正式にレターで伝えてください。
    先代は代表権を必ず外すこと。そうすることで相談の矛先が自然と次代に移り、仕事がしやすくなります。

いかがでしょうか。
今回は事業承継を絡めた「権限移譲」のお話でした。
「やらせてみて失敗するかも」という不安を乗り越え、信じて任せる勇気こそが次世代を育てます

 

本日もお読みいただきありがとうございました✨