経営者の皆さんには、困ったときに相談できるメンターはいますか?
その方は本当にメンターでしょうか?

いつも自慢話ばかりで会話の中身が薄くなっていないですか?
本来のメンターとは──

  • 成功談や失敗談が自分の判断に役立つ人

  • そして自分の話を傾聴してくれる人

資金調達における先輩経営者の失敗談や成功談は、本やネット以上の価値があります。

実際にあった資金調達の失敗談

ある経営者が資金繰りに苦しんでいました。

取引先からの売掛金は手形決済のため、3カ月後にはキャッシュが枯渇。
債務超過の状況で追加融資も厳しい中、取引先から発注見込レターを取り付け、メインバンク(信用金庫)に相談。

結果、3,000万円の追加融資の可能性が出てきました。

ところが問題が発生します。
別銀行の返済リスケについて、外部コンサルから「早く調整を」と言われながら1年も放置していたのを、たまたまこの時期に処理してしまったのです。

するとメインバンクからは
「状況が変わったので決裁をやり直さなければならない。間に合わないかもしれない」
と言われ、大混乱。

最終的には別銀行のリスケを取り消すことで事なきを得ましたが、冷や汗ものの展開でした。

 

学びのポイント

このような失敗は本やネットではほとんど紹介されません。
でも、日常的に誰にでも起こり得ます。

  • 銀行の決裁は「現状を説明し、将来の計画を示す」ことが前提

  • 条件が変わるときは、事前に担当者へ説明する必要がある

  • 以前は支援的な担当者がいたとしても、銀行はサラリーマン組織。いつも都合の良い担当になるとは限らない

このケースは私自身も事業再生の支援で大きな学びになりました。
「一言で何百万の損を防げる」──これがメンターや先輩の経験談の価値だと改めて実感しています。