設備導入を求められたら「リースで」と突き返そう
債務超過に陥っている会社の再生支援をしています。
ある日、その企業が取引先からこう言われました。
「この設備を導入してくれたら案件を任せるよ」
社長はその言葉を信じて、本気で設備導入を検討していました。
そこで私からアドバイスしました。
「その設備、取引先に購入してもらって、貴社にリースしてもらえばいいのでは?」
もし本当に案件があるのであれば、取引先が設備を購入して、
リース料で回収すれば リスクはゼロどころか利益が出る はずですよね。
でも、取引先の答えは「ノー」。
実はこの取引先、以前にも2,000万円の設備を支援先に購入させたことがありました。
当時も「案件がある」と言っていたのに、実際の発注は数件程度。
到底2,000万円に届くような内容ではなかったのです。
今回の違いは、社長が学んでいたこと。
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リース会社にリース契約の打診をしていた
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リースに補助金を活用し、「実質持ち出しゼロ」の構成にした
これにより、最悪の事態を回避できました。
こうした「中小企業に設備投資を強いる」取引先は、いまだに多く存在します。
しかし、それが企業としての正式な依頼なのか、
ただの担当者や部課長レベルの思いつきなのか、しっかり見極める必要があります。
とくに「ちょっと案件あるから」と言って、
下請けに高額な投資をさせようとする取締役や課長、意外と多いんですよ。
日本の発注文化には、「下請けの立場」を構造的に考える視点が欠けています。
案件の確約が「レター」や「契約書」として明文化されていない限り、
安易に信じるべきではありません。
似たような例で、金型の話を聞いたことありませんか?
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発注元が金型を購入
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その金型を下請け企業に“勝手に保管させる”
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大型でスペースをとるのに、下請けには何の利益もない
こんな状況が、いまだに日本中で起きています。
だからこそ、こう言いたいのです。
「その思惑、突き返す勇気を持ちましょう」
そして、中小企業もいつまでも下請け体質に甘んじず、
**「脱・下請け」「脱・依存」**を目指していきましょう。
自社の未来を他人に委ねてはいけません。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。