利益率を把握していますか?

原材料、物流費、人件費の高騰により、多くの中小企業が経営の苦境に立たされています。行政は「原価高騰分を売価に反映するように」と助言していますが、実際には取引先との価格交渉さえ行わず、窮地に陥っている企業が後を絶ちません。

「売価を見直したから大丈夫だ」と言う社長もいます。しかし、決算書を見れば赤字続き。正直、心配になります。

もっと驚くのは、自社の原価が売上高に対してどれくらいかかっているかを把握していない社長が多いこと。「売価を上げたから利益は出てるはず」と主張しても、数字は正直です。営業利益率がマイナス、債務超過…という会社も少なくありません。

ここで確認していただきたいのが、「売上高営業利益率」です。

 

 

 

これは
営業利益 ÷ 売上高
で算出され、
・製造にかかったコスト
・販売・管理にかかったコスト
がどれだけ売上高に対してかかっているかを示す指標です。

この数字がマイナスということは、売れば売るほど赤字という状態。いわば「ボランティア案件」を受注しているのと同じです。

見積もりの作成方法を聞くと、「昔ながらのやり方で適当に計算している」との回答が返ってきます。つまり、コスト構造を反映しないまま値付けをしてしまっているのです。

なぜ、こんな状態で経営ができるのでしょうか?

「決算書は読めません」と開き直る社長も多くいますが、それに対して私はこう言います。

簿記を勉強してください。

すると、「そんな時間がない」と返される。しかし、そんな時間さえ確保できない人に、経営を続ける資格はありません。経営とは、そんなに甘いものではないのです。

従業員の人生がかかっている会社経営。決算書が読めないというのは、コンパスを持たずに大海原に出るようなものです。

自社の数字を把握すること。それが最低限の責任です。

 

【まとめ】

まずは、自社の売上高営業利益率を算出してみましょう。
そして、

  • どのコストがどれくらいかかっているのか?

  • 売上高はいくら必要なのか?

を見直してみてください。

感覚経営から脱却し、数字に基づいた判断を!
それが、あなたの会社を立て直す第一歩です。