本当に人手不足?「働きたい仕事」と「募集してる仕事」がズレている話

人手不足が叫ばれている昨今、本当に社会全体で労働力が不足しているのでしょうか?
私がずっと疑問に思っていたのは、「まだそこまで人口が減っていないのに、なぜこんなに“人手不足”が深刻なのか?」という点です。

もしかして、みんな働かなくても暮らしていけるくらい、お金持ちなんでしょうか?
――そんな素朴な疑問から、少し調べてみました。

 

職種別の有効求人倍率を見てみると…

職種 有効求人倍率
一般事務 0.30倍
営業職 2.22倍
商品販売・小売 1.89倍
接客・給仕 1.84倍
介護サービス職 3.41倍
情報処理・通信技術者(IT職) 1.69倍
建築・土木・測量技術者 6.14倍

 

まず、「有効求人倍率」って何?というところから簡単に説明しますね。

これは「求人数 ÷ 求職者数」で計算される指標で、たとえば1.0倍は「1人の求職者に対して1件の求人がある」状態です。
これが1より大きければ求人が多く、求職者が少ない(=人手不足)
逆に**1より小さければ求職者が多く、求人が少ない(=仕事の取り合い)**ということになります。

上の表でいうと、一般事務は0.3倍。これは応募が殺到している人気職種で、1つの求人に3人以上が集まっている計算です。
一方で、建築・土木などの職種は6倍以上。つまり、1人の求職者に対して6件もの求人がある状況=人が全然足りていないということになります。

「人手不足」って、実は“人気のない仕事”が足りないだけでは?

このデータから見えてくるのは――
人手不足といっても、実際には「きつい仕事に人が集まらない」だけで、ホワイトカラー職(事務系・IT系など)にはむしろ応募が集中しているという現実です。

つまり、"人がいない"のではなく、"仕事の内容と求職者の希望がミスマッチ"しているんですね。

建設や介護などは「きつい・汚い・危険」のイメージが強く、しかも給与水準も高くない。
特に介護職は、人の命を預かる責任が重いのに待遇が見合っていないと感じる方も多いはずです。
これでは応募が集まらないのも当然でしょう。

 

業界全体で「魅力ある仕事づくり」が必要です

給与を上げることももちろん大切ですが、
・どんなスキルが身につくか
・職場の成長環境はどうか
・先輩や上司の人柄、職場文化はどうか
など、「この仕事を選んでよかった」と思える職場の魅力を、もっと伝えていくべき時代だと思います。

特に建設や介護のように「現場力」が命の業界では、人手不足=安全リスクにつながりかねません。
だからこそ、現場を甘やかすのではなく、しっかりと育てて支える仕組みづくりが必要です。

「指導は厳しいけれど、得られる経験は本物」
「最初は大変だけど、確実に力がつく」
そんな誇りある職場づくりが、これからの未来を支えていくと私は思います。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました!