中小企業を支援していると、本当に「人の良い社長」に出会うことがあります。
話をしていても人柄の温かさがにじみ出ており、リスペクトできる存在です。
しかし、そういった企業に多いのが、債務超過や慢性的な資金不足という状況です。
では、なぜそんな優しい社長の会社が苦境に陥るのでしょうか?
理由の一つに、「人を多く雇いすぎている」という現実があります。
人件費が売上の50%以上を占め、資金繰りのために借入を繰り返し、自転車操業から抜け出せなくなっているのです。
そして、よく見られるのがこういう状態です:
「仕事がなくても出社して、1日中ネットをして過ごす従業員がいる」
自転車操業とは、「利益が出ていないのに、回し続けないと止まってしまう状態」。
コスト削減には限界があります。企業が本当に再生・成長するには、
「人件費を賄ってなお利益が出る体制」
を整えるしかありません。
そのためには、ときに厳しい選択も必要です。
• 給与を減額する
• 状況を説明して辞めてもらう
• それでもぶら下がろうとする従業員には、弁護士を通じて対応する
「弁護士を入れるなんて…」と社長はためらいがちですが、中小企業には大手のように“働かない人を遊ばせる”余裕はありません。
企業が潰れれば、従業員には失業保険が出るかもしれません。
でも「倒産企業出身」というレッテルがついてしまう。
実際、それだけで優秀な人材が転職に苦労している例をたくさん見てきました。
社長。
従業員全員を守ることは、時に「誰も守れない」ことになります。
会社を守ることは、本当に必要な社員とその家族を守ること。
勇気を出して、「働かない従業員を切る」という決断も必要なのです。
本日もお読みいただき、ありがとうございました