現在支援している企業の中に、売上高の約2倍に相当する借入金を抱え、運転資金の追加融資を銀行から断られている会社があります。
このままではキャッシュフローが完全に行き詰まり、倒産が現実味を帯びてくる中、私はまず「本音で得意先と交渉してください」と社長に伝えました。結果、社長は得意先から半年先までの【注文確約レター】と、従来の手形決済を一時的に現金決済に切り替えるという約束を取り付けました。
この確約レターを持って、銀行との交渉に臨み、緊急融資の道も見えてきました。ここまでは非常に良い流れです。
しかし、問題はここからです。
確約された案件に対して、なぜか注文書が一向に発行されないという状況が続いています。そして、またもこの企業にありがちな“悪いクセ”が顔を出しました。
私のアドバイス通り一度は動くのですが、「結果が出るまで行動を続ける」ことをしないのです。
目的は「注文書をもらうこと」ではありません。
注文書を得て、製品を納品し、売掛金を回収して資金繰りを改善することがゴールのはずです。
なぜその注文書を確実にもらうために、得意先に張り付かないのか?
なぜ、レターを発行した本部長に督促しないのか?
まったく理解できません。
さらに驚いたのは、営業担当者の発言。
「いやー、今日も発注書が出なかったんで、往復3時間無駄足でした」
……はぁぁぁ……。
その3時間分の給料は誰が払っているんですか?
何の成果もなく帰ってきて「頑張ってます感」だけ出しているこの状況、どう見てもおかしい。
企業経営は**「行動して終わり」ではありません。**
**“結果が出るまでやり抜く”**ことが求められます。
外部環境は常に変化しており、放っておけばネガティブな変化の方が多いのが現実です。
だからこそ、企業は内部からポジティブな行動を起こし、外部に波及させていくことで、はじめて成長できるのです。
「行動はした。でも結果は出てない」――それは、行動してないのと同じ。
痛みを伴う話ではありますが、現実を見て、動いて、やり切ってほしいと思います。
本日もありがとうございました。