皆さんの職場では、部課長クラスの管理職がしっかりと軸を持ち、部下に対して適切な指示や指導を行えているでしょうか?

パワハラが厳しく問われる時代になり、必要以上に部下におもねって、組織が崩壊しつつある企業を多く目にします。
実は私自身も、そうした風土の企業で中間管理職として苦しい立場を経験しました。ギリギリのところで潰れずに乗り切りましたが、本当に過酷な環境でした。

今の40代後半から50代前半の中間管理職は、上には「パワハラが当たり前だった世代」、下には「パワハラを許さない世代」が挟まっているのが現実です。
しかも、上司は「パワハラはいけない」と口では言いながら、自分が中間管理職に対してはパワハラまがいの言動を平気でしてきます。

一方で、部下は権利主張が強く、声の大きな人間が場を支配する。中間管理職は、部下とのコミュニケーションすら取りづらくなっているのではないでしょうか?

これは特定の企業の話ではなく、日本全体の企業風土として広がりつつある病理です。私は、このままでは日本の組織は徐々に内側から崩れていくと思っています。

もちろん、パワハラは明確に否定されるべきで、教育も必要です。しかし、**過剰に意識しすぎて“何も言えない組織”**になると、それはもはや健全な組織ではありません。

こうした歪んだ風土に気づいた企業は、危機感を持って、早急に組織改革に取り組むべきです。

最近では「若者がすぐ辞める」ことが話題になりますが、私の考えは明快です。

 

 

辞めたい者は辞めればいい。追う必要などない。

 

そもそも、すぐ辞めるような人物を採用してしまう人事部こそが機能していないのです。

さらに言えば、「新卒を毎年必ず採用しなければならない」という日本独特の習慣も、そろそろ見直すべきではないでしょうか。
優秀な人材に年齢は関係ありません。年齢ではなく「価値観と覚悟」を見極められる人事を育てることが、企業の未来を左右します。

すぐ辞めた人を“根性なし”と批判する人事がいたら、その人事こそ責任を問われるべきです。採用とは、極めて重い責任を伴う行為です。

そして最後に、中間管理職が部下と向き合うときに意識すべきことがあります。

それは、「フラットな組織」ではありません。
目指すべきは、敬意あるヒアリング」です。

部下の声にしっかり耳を傾けながらも、権限を持つ者としてヒエラルキーを意識し、対話の中でリーダーシップを発揮する。これこそが本来のマネジメントです。

この感覚を持たない組織は、いずれ統制が取れず、ビジネスとしても機能しなくなります。

この続きは、また別の機会に。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。