私は常々こう考えています。

**「人は育てることはできない。ただし、育つ“環境”を提供することはできる」**と。


この考えは、今でもまったく変わっていません。

なぜなら、「育てよう」とすること自体が、実は経営者や管理職の自己過信につながることが多いからです。


現場を見ていると、よくこんなことが起きています。

頑張って人を育てようとした結果、教える側の管理職や先輩社員がメンタルを病んでしまう…。

あるいは、時間と労力をかけて育てた若手社員が、あっさり辞めてしまう…。


そんな経験、ありませんか?


わたしはこれを何度も見てきて、「あぁ、結局人は“育てるもの”じゃないんだな」と痛感しました。

育つのは本人の意思です。

経営者や管理職がやるべきなのは、育つための“土壌”を整えること。それに尽きます。


では、その環境整備とは何か。

その一つが、**「学びを強制すること」**です。


放任主義で「勝手に育て」と言うだけでは、会社は決して強くなりません。

だからこそ、研修を実施し、半ば強制的に学ぶ機会を与えることが必要なのです。


正直に言えば、自主的に学んでいる社員なんてごく一部です。

学生時代なら勉強しないのも自己責任ですが、会社は違います。

雇用されている以上、**「アップデートされ続ける責任」**があります。


だからこそ、最初は嫌がられても、定期的に研修を実施し、知識と意識の両方をアップデートさせるべきなんです。


そして不思議なことに、人は学んでいく中で気づきます。

**「結局、自分で勉強しないと知識は身につかないんだな」**と。


この「納得感」が芽生えた瞬間から、人は一気に成長し始めるんです。


大切なのは、年に1回の研修ではなく、四半期ごとに習慣化させること。

確かに費用も残業代もかかります。

でも、それによって社員の質が変わり、社風がアップデートされ、定着率が高まるなら、それは**“未来への投資”**ではないでしょうか?


若手が辞めずに残ってくれるだけでも、企業の未来は大きく変わります。

その若者が5年後、10年後の企業の屋台骨になるかもしれません。


社員は育てるものではなく、育つもの。

だからこそ、研修という「きっかけ」に、ぜひ投資してみてください。


本日もお読みいただき、ありがとうございました。