皆さんは、日々「考える」時間を持っていますか?


ここでいう“考える”とは、自然に湧いてくる思考ではなく、「課題や問題に対して、意識的に頭を使って向き合う」ことを指しています。最近ではこの“考える力”が弱まっている傾向があるという話を、ネットや教育現場などからよく耳にします。


公式なデータがあるわけではないので断定はできませんが、確かに現場レベルではそれを感じる機会が増えています。たとえば会社で「すぐに答えを求めてくる部下」、あるいは「問題を放置したまま手を付けない同僚」。あるいは学校でも「問題文を読まずに、すぐに解答や先生の説明を求める生徒」など。


これは非常にまずい傾向です。なぜなら、人間の脳は“考える”ことで刺激され、シナプスが活性化し、思考の幅が広がって成長するからです。


塾や学校でも「すぐに先生に答えを聞きにくる子」が増えているという話を耳にします。背景には「失敗を恐れる」文化があるようで、日本では「失敗しないこと=成功」とする風潮が長く続いてきました。そのため、試行錯誤を避け、最短距離の“正解”だけを求めてしまうのかもしれません。


でも、本来は違いますよね。たとえば難しい問題にぶつかったら、まずは例題を参考にし、自分なりに考えてみる。それで間違ってもいいんです。むしろ、その「自分で考えたプロセス」に意味があります。それが脳の発達にとって最も大切な経験になります。


これは若者だけの話ではありません。

いわゆる「使えないおじさん」と揶揄されるような世代の方々も、実は“失敗したくない”という思いから「考えること」をやめてしまっている場合が多いようです。でも脳は、何歳からでも成長できます。だからこそ、企業側が「考える場」を提供していくことも大事なんだと思います。


さて、最後に少し哲学的な話を。

「人間は考える葦である」という言葉、皆さんご存じですか?


これはパスカルの言葉ですが、実は私自身、ちゃんと意味を理解せずに使っていました(笑)。でも今回改めて調べてみて、「人間の本質とは“考える”ことであり、それが人としての尊さでもある」という解釈に触れ、非常に共感しました。


やっぱり、“考えること”って大事ですね!