経営者が「動けなくなる」前に、たった1日でできること
経営者の方とお話ししていると、疲労困憊のあまり、資金繰りが厳しくなっても何も手を打たず、いや、正確には「動けない状態」に陥っている方が少なくありません。
コロナ禍の最中は、国や自治体の支援が充実していたため、なんとか乗り切れたという方も多いでしょう。しかし、アフターコロナの今、その支援は「成長が見込まれる企業」へとシフトしつつあります。
「毎日の経営で精一杯」「もう何も考えたくない」
そんな声を聞くたびに私は思います。
このまま日々の延長線だけで生きていても、状況は好転しません。
変化が起きるとしたら、たいてい外部環境の激変──そしてそれは多くの場合、ネガティブな方向に進むものです。
▷ 提案:1日で良いので「仕事を止めて」考える日を
私からの提案はシンプルです。
「1日だけ、仕事を手放して、自社の未来と自分の安心について真剣に考えてみませんか?」
たとえば──
「このくらい利益が出れば、幹部を雇えて、自分の負担も軽くなるな」
「この利益があれば、社員にもっと報いることができる」
そんな“安心できる未来”を思い描いてみてください。
その利益を3〜5年以内に達成するには、どんな数字を積み上げればよいか。売上はどれくらい必要か。コストはどこを削減できそうか。
その理想を「数字」で考えて、年次の経営計画に落とし込んでみるのです。
▷ 日々の課題は、「未来を実現するためのタスク」になる
ラフな計画でも良いのです。
将来のゴールが見えると、日々の小さな課題も「未来への一歩」と捉えられるようになります。
人の脳は、もともとネガティブ思考に傾きやすいようにできているそうです。
それは生き残るための本能ですが、それだけに囚われてしまうと、現状に押しつぶされてしまいます。
だからこそ大事なのは、「まず先に、理想の未来を設定すること」。
そのうえで今を眺めると、ポジティブな視点で状況を捉えられるようになります。
▷ 引き寄せは“スピリチュアル”ではなく“科学的”
「引き寄せの法則」の本をたくさん読んできましたが、正直なところ、私はまだ引き寄せられていません(笑)。
ただ、ひとつ腑に落ちていることがあります。
それは、私たちは「今」にしか生きられないということ。
そして、「今」の在り方を決めるのが、実は“未来のイメージ”なんです。
つまり、理想を描くことで、その未来に向かって「今」が流れていく。
そう考えると、「引き寄せ」は決してスピリチュアルではなく、科学的な考え方だと思えませんか?
ちなみに、過去は自分の記憶や感情のフィルターがかかっているため、ネガティブに偏りがち。だからこそ、過去にとらわれず、未来から今をデザインしてみてください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「未来から今をデザインする経営」──あなたも、ぜひ試してみてください。