最近、人件費に関するご相談が本当に増えています。
どの企業を支援していても、**「人件費が上がって経営が厳しい」**という声を聞かないことはありません。
中でも特に多いのが、**「あの従業員にこれ以上給与を払うことに納得がいかない」**という社長のつぶやきです。
■ その視点、本当に大丈夫ですか?
この発言、実はかなり注意が必要です。
特に事業承継を見据える企業では、次の世代の従業員や後継者をどう評価するかが非常に大切になります。
たとえば、社長が「自分ならこうする」と思う案件に対して、次代の人が違う方法を選んだとします。
そのときに「そんなやり方じゃダメだ」と否定してしまうと、冷静に人を見る目を失ってしまいます。
実はこれは、「自分が一番すごい」と認めてほしいという“自己承認欲求”の裏返しだったりするんですよね。
でも意外なことに、次代を担う人たちは、社長が今やっていることを“ごく普通に”こなせたりするんです。
■ 「人件費を上げる」ではなく「利益から還元する」発想を
さて、話を本題に戻しましょう。
「人件費を上げる」のではなく、**「利益を出して、その一部を人件費に充てる」**という考え方が重要です。
これは国が発信している「価格転嫁」政策とも一致しています。
原価や人件費の高騰分を、きちんと売価に反映していく。
そうすれば、給与を上げても“持ち出し”にはなりません。
■ 「売価を上げられない」は、逃げ言葉?
よく「うちは売価を上げられない」とおっしゃる社長もいますが、
そうであれば、そもそもその製品・サービスの価値はどこにあるのでしょうか?
厳しい言い方かもしれませんが、価格を適切に設定できない商品だけで会社を支えるのは、もはや限界が近いと考えた方がいいかもしれません。
「利益を生み出せるビジネスに転換する」ことが、企業を守り、働く人たちを守る唯一の方法です。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。