企業支援をする時、私は必ず「戦略的目的(最終ゴール)」を見据えながら、
「戦術的課題(日々の局地的な問題)」の解決を助言しています。
しかし──
問題を一つずつ片づけていくと、いつの間にか目的を見失う経営者が本当に多いんです。
本来なら、そこからさらに加速してゴールに向かうべきところが、
「なんとなくうまくいっているから、まぁいいか」となってしまう。
気が緩み、目の前のことだけで満足してしまう。
そんな“だらだら経営”が始まる瞬間です。
私は再度、最終目的を説明し、経営者の背中を押します。
でも、その言葉を受け止められない社長も少なくない。
厳しいことを言えば、逆ギレされることもあります。
中には、それがきっかけで顧問契約を切られたことも。
でもその社長、後日になってこう言ってきました。
「やっぱり、もう一度見てもらえませんか?」
私は丁寧に断りました。
なぜなら、“覚悟のない経営者”とはもう関わらないと決めているからです。
以前にも言いましたが、経営者は従業員の人生を背負っています。
船長が気を抜けば、氷山にぶつかって船は沈みます。
経営者は、引退するその日まで、気を抜いてはいけない。
それが「経営者になる」ということです。
この話は中小企業だけではありません。
大手企業でも、案件処理ばかりに追われて「戦略」を忘れている会社は多いです。
目の前のことをこなしているだけで、
気づいたときには戦略が全く進んでいない。
結果、気づいたら経営が傾き、
「まさかこの会社が?」というような倒産も、私は見てきました。
だから私は、経営者にこう言います。
夜の10分だけでいい。
中期戦略を思い出し、
明日どう動くかを考える時間をつくってください。
クラブ通いより、
戦略を見直す10分の方が会社の未来を変えます。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!