ロナ禍で大打撃を受けた企業を支援する機会が、今でもよくあります。
そして、ある共通点が浮かび上がってきました。
それは——たった1つの事業に特化しすぎていた」ということです。

飲食店からの相談が多い一方で、自動車部品の下請け企業や旅行会社など、
パンデミックによるダメージが特に大きかった業種も数多く見てきました。

しかし、財務諸表をよく分析してみると、ほとんどの企業が“メイン事業一本勝負”。
リスク分散の仕組みがほとんど整っていなかったのです。


1.飲食業はキャッシュフローが良いけど…

飲食業界は現金商売のため、比較的キャッシュフローが良く、参入もしやすい。
でも、その収益を次の成長投資に活かせていないケースが非常に多いんです。


2.自動車部品業界は「下請け気質」が壁になる

部品メーカーは長年の取引先との関係性もあり、
他業種への進出が“精神的に”難しい雰囲気があるように感じます。
やろうと思っても、「どうせ無理」と途中で止まってしまうんですね。

 


3.旅行業界の生き残り戦略がヒントになる

大打撃を受けた旅行業界。ですが、大手企業は乗り切りました。
なぜか?——“多角化”していたからです

添乗員のような「人をまとめるスキル」を活かして、
ワクチン接種会場での案内業務や、受付業務などに人材を派遣。
新しい分野で収益を確保していたのです。
まさに、危機をチャンスに変えた事例ですね。


4.多角化は「異業種進出」だけではない!

「多角化」と聞くと、全く違う分野に進出するように思えますが、
必ずしもそうではありません。
“関連分野への展開”こそ、多角化の第一歩です

たとえば、自動車部品を作っている会社であれば、
航空機やドローン、医療機器の部品製造に応用できる技術があるはずです。

しかし、「昔からの業界慣習」や「参入障壁」を理由に、
「ウチには無理」と決めつけてしまう経営者がとても多い。

でも、その**“参入障壁の内側に入れた時こそ、最大の武器”**になります。

ちなみに航空分野は部品開発にお金を厭いません。なぜなら、航空機は安全にもの

すごくお金をかけるからです。なので、参入すれば当初は利益率が高いプログラム

になるでしょう。そして、いずれ価格を下がられても、また別の新しいプログラム

提案していけばよいんです。


5.「3本の柱」を育てる経営戦略を!

理想は、最低でも3つの収益事業を持つこと
もし1つがダメになっても、他の2つで企業は持ちこたえられます。

たとえば、コロナ級の事態が起きても、1つの事業が収益を出し続けられれば、
5年間は持ちこたえられるはずです。
その間に、他の事業を見直し、新しい種をまく時間が生まれます。


「そんなの夢物語だよ」と思ったあなた——
それは今、**“安全バイアス”**にかかっているかもしれません。
「コロナ級のことはもう起きない」と、心のどこかで決めつけていませんか?

その思い込みを疑うことから、経営の変革は始まります。


🔥最後に

あなたが経営者であれば、ぜひこの5年で「3本柱」の構築を目指してください。
それは、未来の危機に強い企業体質をつくる、最も確実な方法です。


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!