シニアの正社員雇用が増えている?その真相と本音

最近、シニア世代の再雇用、それも「嘱託」ではなく「正社員」での雇用が増えているというニュースを見ました。
でも、本当にそうなんでしょうか?

求人票では「年齢や性別を問わない」とうたっていても、実際は若手や男性が優遇されているケースが多いと、私は感じています。

中小企業を支援していると、よく目にするのがこんな光景です。
—— 技術が熟練工に囲い込まれ、承継できていない。
そして、その熟練工が会社内でやたらと威張ってしまう。

一方、大手企業では、若手はたくさんいるのに「自分で考えて動ける人材が減っている」と、大手の人事課長さんがこぼしていました。

 

私の持論ですが、人材採用に年齢は関係ないと思っています。

「若いから新しい発想ができる」
「シニアだから経験豊富で何でもできる」

こんなイメージは、ただの思い込みにすぎません。
若くてもメンタルが弱い人はいますし、シニアでもめちゃくちゃ元気な人もいますよね?

ある社長から「シニアの熟練工が承継できなくて困ってる」と相談を受けたことがあります。
そこで私は、「その加工、本当にその人にしかできないんですか?できる方法を考えましょう」と提案しました。

結果はどうなったか?
あっさり、承継できたんです。

シニアの方本人もびっくりしていましたが、日本伝統工芸のような超絶技巧でない限り、技術承継は意外とできるものです。

なぜそれが難しいと言われるのか?
それは、技術を属人化させて自分のポジションを守ろうとする心理が働くからなんですね。

この傾向、中小企業では本当にたくさん見てきました。
だからこそ、私は「デジタル化による技術の見える化」を提案し、多くの企業で承継を成功させてきました。

さて、話を人材採用に戻します。
やっぱり、大事なのは年齢ではなく——

  • 人格

  • そして「経験値(特に失敗経験)」

これだと思います。

若いとか、シニアだとか、そういうフィルターを外して、本当に自社に合うかどうかで採用を判断しないと、特に中小企業は衰退を免れないでしょう。

一方、大手企業も若手の「青田刈り」ばかりに頼るのではなく、本当に必要な人材を見極めるべきです。

人を雇うというのは、将来その人が「人材」ではなく「人災」になるリスクも含んでいます。

だから私は、海外のように中途採用インターン経験者の採用をもっと取り入れるべきだと思います。

——続きはまた、別の機会に。