皆さんは、取引先で「高圧的なのに何もしてくれない人」に当たったことはありませんか?

私の妻の勤務先――かつて私も勤めていた会社なのですが、そこの通関業者(いわゆる乙仲さん)の対応が、あまりにもひどいそうです。商社であるその会社では、海外工場から部品を輸入し、船や航空機で運んで日本へ届けるという流れの中で、この乙仲さんが物流を一手に担っています。


ところが、担当者が非常に態度が悪く、非協力的。トラックの手配や、コスト削減につながる混載対応などにもまったく応じないとのこと。本来、商社と乙仲の関係では発注者(つまり商社側)が立場的に上なのですが、この商社は「人が良すぎる」ことで有名で、強く言わないためにナメられている節もあるようです。


さらに最近では、コロナ禍以降の物流減少やトラック運転手の不足などもあり、乙仲側の態度が一層横柄になっているようです。

でも、ここで考えてみたいのは、「外部環境で態度を変える人」が結構いるということです。皆さんの会社にも、こういう“空気を読んで豹変するタイプ”いませんか? こういう関係がそのまま会社に引き継がれてしまうと、長期的に見て大きなリスクになります。


時代は変わります。物流の自動運転化やオンライン通関の普及で、今の乙仲のポジションがどうなるか…少し想像すれば、明らかですよね。

結局、**ビジネスの核心は「人間関係」**です。

たとえば、私が商社時代に経験したこと。ある日突然、大手メーカーの課長が「取引停止」を申し入れてきたのです。当時は私の担当外だったため放置していたのですが、役員陣が対応しても打つ手なし。ついには「変態課長」とまで陰口が出るような状況に…。

そこで私に白羽の矢が立ち、「あの取引先を復活させてこい」と(笑)。


最初は名刺すら渡してもらえず、まったく取り合ってもらえませんでした。でも、何度も足を運んで話を重ねていくうちに、少しずつ状況が変わっていきました。

実はこの課長、あるプログラムの赤字をなんとかしたいという切実な想いを持っていたんです。しかし、こちらが「単なる値下げ要求」と誤解して真剣に取り合っていなかっただけでした。

私は商品の値下げはせず、発注数量や在庫の見直しでコストを削減する方法を提案。結果として、そのプログラムは黒字転換し、取引停止のレターは正式に取り消しに。今でも感謝しています。


この課長、今や上級部長に昇進し、次期役員候補と目されています。いまでも時々一緒に飲みに行きますが、彼が言ってくれるんです。


「最初にあなたに会ったとき、“ビジネスは組織と組織の関係だ”と言いました。でも今は違うと思ってます。やっぱり、ビジネスは人と人との信頼関係なんだって。」


もう、泣けますよね😿

結局、肩書きや会社名なんて外せば、ただの人間です。そこにリスペクトがあるか。それこそが、ビジネスの土台です。


これは下請けかどうか、発注者かどうかなんて関係ありません。人と人が信頼し合うことで、ビジネスは成長するんです。

「人間力」こそが、最強の営業力・マーケティング力ではないでしょうか?