最近、補助金申請の支援をする中で感じるのが、「コンサルに頼めばなんとかしてくれる」と思っている方が少なくないということ。特に、メーカーの営業担当者などからの紹介案件では、その傾向が顕著です。
でも、最初の打ち合わせで私は必ずこう伝えます。
「補助金は、コンサルが書けば必ず通るものではありません。事業の本質に向き合わなければ意味がありません」と。
もちろん、事業計画の作成はサポートします。ただし、経営者ご自身に“事業のベース”をしっかり考えてもらうことが前提です。そして、最終的な申請も、経営者のPCから、ご自身の手で行っていただきます。
これは私のポリシーというよりも、国の意向でもあるはずです。
なぜなら、補助金申請の仕組みそのものが「代行」を認めていないからです。申請には経営者本人のログインが必須。コンサルのPCから申請すると、「外部機関が申請したもの」として審査が通らない可能性があるのです。公募要領にも、その旨が明記されています。
これは単なる事務的なルールではありません。私は、「自分の頭で考え、自分の意思で行動する」経営者を育てようとする国のメッセージだと感じています。
事業計画を他人任せにしてしまうと、そこに経営者の“思い”が乗りません。だからこそ、実現可能性が低くなるのです。実際、「社長が財務諸表を読めないから計画が書けない」といった声を耳にすることもあります。
でも、それなら学べばいいだけの話です。
財務がわからないから事業計画を書けないなんて、コンパスなしで航海に出るようなもの。
確かに、事業計画の作成には経験やノウハウが必要です。だからこそ、そこは私たちコンサルタントがお手伝いします。
でも、「自分の会社をどうしたいか」は、あなた自身が考えるべきことです。
補助金申請をきっかけに、自社の未来を真剣に考える時間にしてみませんか?