賃上げすれば人が定着する?本質を見失わないでほしい話。


物価高が続く中、大手企業では賃上げの流れが加速しています。一方、中小企業では「賃上げできない」「このままでは倒産の可能性がある」と回答する企業が約25%にのぼる、そんな調査結果がネットに出ていました。


物価が上がれば給料も上げる必要がある——これはある意味当然のことかもしれません。でも、「賃上げすれば人材が集まる・定着する」と考えているなら、それは少し危ない思考です。


最近は「賃上げ」にばかり注目が集まっていますが、人材の定着に本当に影響を与えるのは、実は給料の金額ではないんです。

もちろん、「給料が高いから残る」というケースもあります。でも、外資系企業のように給料が高くても流動性が高い企業もありますよね? つまり、「給料が高い=人が定着する」ではないんです。


給料が上がると、その瞬間は嬉しい。でも、その水準にすぐ慣れてしまって、それが当たり前になる。長く続くモチベーションにはなりません。


じゃあ、何がモチベーションになるのか?


それは「やりがい」です。


一見あいまいな言葉ですが、分解するとこうです。自分に任された責任の中で、裁量を持って動けること。自分の判断で決められること


日本企業では、これがなかなかできていない。私自身もサラリーマン時代、上から目線で細かく指示ばかりしてくる経営者に反発していました(まあ、当然干されましたが…笑)。


中小企業に人が定着しない理由は、給料の前に、「やりがい」を感じられる職場かどうか、なんです。


若手にどんどん権限を委譲して、自分の頭で考えて動けるようにする。そうすれば、やりがいを感じながら、会社に貢献し、長く働いてくれる人材が増えるはずです。


ちなみに、「権限委譲=丸投げ」ではありません。これは次回詳しく書こうと思いますが、最終的な責任は委譲した上司が取るもの。ここを勘違いすると、部下は判断できずに上司の顔色ばかり見るようになります。そうして典型的な「日本型の非効率組織」が出来上がるわけです。


こういう組織では、優秀な若手は辞め、変化に対応できず、やがて会社は沈んでいくかもしれません。一方で、大手企業はスペックの高い人材が揃っているので、何とか持ちこたえられることが多いです。


中小企業こそ、早いうちに「人が辞めない組織」の本質に向き合う必要があります。


本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

また次回お会いしましょう!