補助金申請書の作成手順の続き:「弱み」について考える
みなさん、こんにちは!
補助金申請書の作成手順の続きです。今日は「弱み」と「外部環境(事業環境)」について考えていこうと思っていましたが、弱みの話だけでボリュームがすごいことになったので、外部環境は次回に回します(笑)。
さて、まずは「弱み」についてですが…いきなりですが、 弱みは認識するだけでOKです。
「弱みを克服しよう!」とすぐに行動を起こす必要はありませんし、そもそも 企業や個人に、弱みにすぐ対応できる金銭的・労力的な余裕はあまりない というのが現実ではないでしょうか。
補助金申請書でも「弱み」について記載する部分はありますが、 「この弱みを解決します!」と書くよりも、「強み×機会(事業環境)」を活かした戦略をしっかり書く方が、実際の事業計画としても現実的 です。
それでは、まず企業と個人の視点で「弱み」について考えてみましょう。
③ 自社の弱み(個人のスキル不足や経験不足)
(企業の場合)
「強み」を聞かれると悩む経営者が多いのに、「弱みは?」と聞くと みなさん結構饒舌になります(笑)。日本人の気質かもしれませんが、 ネガティブなことは思いつきやすい んですよね。でも、これは考え方を少し変えた方がいいかもしれません。
よく挙がる企業の弱みとしては、例えば…
- 従業員の高齢化
- 売上の大半を1~2社に依存している
- 熟練工のスキルが継承されない
- 営業力が弱く、新規開拓ができない
- 財務知識が不足している
- 薄利事業のため利益が出にくい
…などがありますね。
では、「これらの弱みを今すぐ解決しなくても大丈夫なのか?」というと、もちろん 長期的には対策が必要 です。ただ、ここで注目すべきは 「まずは強み×機会(チャンス)を活かして、企業の体力をつける」ことが優先 だということ。
弱みというのは 5年以上のスパンで少しずつ改善していくもの です。例えば…
1) 従業員の高齢化
→ 若手に魅力的に映る企業風土を作るのには時間がかかる。まずは利益をしっかり出し、採用や教育に投資できる体力をつけることが先。
2)売上を数社に依存
→ 新規開拓をしようとしても、関係構築には時間がかかる。まずは「強みを活かして」今の取引先との関係をより強固にし、徐々に販路を広げる方が現実的。
3)熟練工のスキル継承が進まない
→ デジタル化やマニュアル化を進めるのが理想だが、一朝一夕にはできない。まずは「熟練工のスキルが高い=付加価値が高い」と捉え、そこを強みにする。
弱みを強みに変える視点も大事!
例えば…
-
「熟練工のスキルが継承されていない」
→ 裏を返せば、「熟練工のスキルがめちゃくちゃ高い(=付加価値がある)」ということ。これを武器に市場にアピールするのもアリ。 -
「売上の大半が1~2社に依存」
→ それって、「その数社が貴社の製品やサービスをものすごく信頼している」ということでは? 価格ではなく、スキルや品質を評価されている可能性 が高いですよね。これを強みに変えられれば、新規開拓にもつながります。
ただ、ここで 「いやいや、ウチはそんな強みなんてないですよ…」 と納得しない経営者も多いですが、 そのマインドを変えない限り、成長は難しい です。冷静に考えれば、「長年発注してくれるのは、貴社のスキルや品質を評価しているから」と分かるはずなんです。
(個人の場合)
個人の場合は、主に スキル不足や経験不足 が「弱み」として挙げられます。ただ、企業と違って スキルは後天的に身につけやすい ので、外部研修や他部署異動などを活用してスキルアップを図るのが有効です。
特に 若いうちはお金を払ってでも研修を受けるのがオススメ!
なぜなら…
- 様々な業界の人と接点を持てる
- ビジネスの本質的なスキル(交渉力・企画力など)を学べる
- 何より、 年齢や役職に関係なく、新しい人脈ができる
また、新規事業が生まれるきっかけは 「異業種×異業種」のコラボ であることが多いんです。例えば…
富士フイルム(フィルムメーカー × 化粧品)
フィルム事業がデジタル化で下火になった際、蓄積された 「コラーゲンの酸化を防ぐ技術」 を活かし、化粧品事業(ASTALIFT)に参入して成功。
このように、新規事業の多くは「ゼロからの創造」ではなく、 異業種の組み合わせから生まれている んですよね。
個人レベルでも、 今の業界やスキルにとらわれず、異業種の考え方を取り入れると、新しいキャリアの可能性が見えてくる かもしれません。
次回予告:「外部環境」について考える
今回は「弱み」についてお話ししましたが、気づいたらすごい文字数になってしまったので(笑)、 「外部環境(事業環境)」については次回 にお話しします!
「外部環境」は、補助金申請でも 「市場の動向」や「競合分析」 に関わる重要なポイントなので、しっかり解説しますね。
それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!また次回お会いしましょう! 😊